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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.507 金少桂さん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
くるくるノコノコ 50手台

くるくる展示室No.507 金少桂

遠く91にある馬。 出題コメントからして馬ノコになりそうですね。 といってもすぐに61桂成としても39玉と逃げられて全然詰まないので、まずは飛を据えて舞台を整えましょう。

  38飛、27玉、17飛、26玉、28飛、36玉、16飛、37玉、

二枚飛車の細かい動きで玉が27→26→36→37とくるっと回るのは楽しくなりますね。 続けて38飛、27玉と回り始めると千日手になってしまうので、くるくるする間に馬ノコするというのが本作の基本的な構成です。

まずは37玉の時点で61桂成と馬で王手(81桂成では馬ノコの邪魔になります)。

  • 55香(銀・金・角)は、同馬、同と、38飛、27玉、17飛、26玉に取った合駒を打てば詰み
  • 46に合駒を打つのは、38飛、27玉、17飛、26玉、28飛、36玉、25銀まで。 46銀の移動合も同じなので、結局46とと45の逃げ道を開けて受けることになります

  61桂成46と

続いて38飛からくるっと回り、36玉のところで81馬。 45に合駒を打つのは25銀までなので45とと46を空けて、16飛、37玉で82馬。 これで馬ノコの仕組みがわかりましたね。

  38飛、27玉、17飛、26玉、28飛、36玉、81馬45と
  16飛、37玉、82馬46と

91の馬が82に近づくことに成功したので、調子にのってどんどん近づきましょう。

  38飛、27玉、17飛、26玉、28飛、36玉、72馬45と
  16飛、37玉、73馬46と
  38飛、27玉、17飛、26玉、28飛、36玉、63馬45と
  16飛、37玉、64馬46と

64まで近づきましたが、55まで行くと同とと取られてしまいますね。 でも、じつは64までで十分なのです。 もう一度くるっと回って収束します。

  38飛、27玉、17飛、26玉、28飛、36玉、25銀、45玉、
  54馬 まで55手

作者 「右下部で2枚飛車で玉をくるくる回転させる手順が狙いです。
飛車への歩のひもの付き具合から、逆回転はできないようになっています。」

馬ノコでは玉移動がつきものですが、 そこを二枚飛車の往復で玉を回転させる楽しい動きにした移動合入りの馬ノコでした。

須藤大輔「脱走ハムスター」 同様の構造の趣向として、須藤大輔さんの「脱走ハムスター」(詰パラ2016年7月)があります。

金少桂作は須藤大輔作とは飛の王手の向きが異なり、またくるくる向けにシンプルにまとまっているので、十分新作といえるでしょう。 このような高級な趣向もみんな楽しめるのが、くるくるおもちゃ箱のいいところですね。

「脱走ハムスター」は往復馬ノコの本格的な作品。 こちらも棋譜ファイルを掲載しておきますので、ぜひご鑑賞ください。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
馬ノコだとは想像できたが、飛2枚との絡みはかなり難しかった。
那須清さん:
飛車の動きを絡めた面白い馬ノコでした。
山下誠さん:
2枚の飛車をうまく使って効率よく馬を近付ける。
原田雄二さん:
飛と馬でじわりじわりと追い詰める。
竹中健一さん:
収束があっさりしているけど、これはこれで良いですね。
渥美雅之さん:
馬の鋸が面白いです。
中村丈志さん:
迂回しないように気を付けなければいけない。
小山邦明さん:
初形の91馬配置から予想通りの馬ノコでした。
池田俊哉さん:
二枚飛の知恵の輪風移動+複式馬鋸。 最後もう一マス近づけられたら、とも思うが、別の収束をつけるのもなかなか難しそうか
川端潤さん:
合駒がやっかいだと思ったら、と金を動かすしかないとわかって安心。
たくぼんさん:
飛2枚の機構がちょっと目新しいですね。 最後馬が行き過ぎて首を捻ったのは内緒です
松崎一郎さん:
日本の里山の原風景?(くるくる回る水車場に馬がノコノコやって来る)。
川越敏司さん:
2枚の飛車による知恵の輪、そこに馬鋸を加えたという趣向でしょうか? 機械仕掛けのような手順に感動です。
おかもとさん:
馬ノコより飛車のめまぐるしい動きに感心した
森田正さん:
25銀からの収束に導く馬ノコ、気持ち良し。
占魚亭さん:
飛2枚で玉廻し&馬鋸。面白い。

くるくる展示室No.507 解答:18名 全員正解

  渥美雅之さん  池田俊哉さん  おかもとさん  川石隆志さん
  川越敏司さん  川端潤さん  小山邦明さん  占魚亭さん
  たくぼんさん  竹中健一さん  中村丈志さん  那須清さん
  原田雄二さん  蛇塚の坂本さん  松崎一郎さん  momidaitoさん
  森田正さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。