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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.503 菅野哲郎さん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
後手は持駒なし 80手台
※迂回あり、84銀は右で

くるくる展示室No.503 菅野哲郎

展示室で最も発表数が多い菅野哲郎さん。 ついに入選100回に到達しました。

入選100回目の本作、菱形に並んだ銀4枚が銀知恵の輪を連想して期待が高まります。 もう一つ気になるのは19馬の配置。 玉を73に呼んで53香成の空き王手の展開が予想されます。

まずは97銀。 85玉に86銀右か86銀左か。 玉を73に呼ぶには74歩が必要なので、86銀左の方がよさそうですね。

  97銀、85玉、86銀左、94玉、95銀引、83玉、

すぐに73歩成は同香なので、84歩、72玉と香筋を止めてから73歩成とします。

  84歩、72玉、73歩成、同玉、53香成、64と、

53香成に歩合は二歩なので64香か64とですが、64香は74歩、72玉、18馬までなので64と。
これで趣向が少し見えてきました。 おそらく、と金の合駒入りの馬ノコでしょう。
29馬と馬ノコするには29-83の斜め筋に玉を呼ぶ必要があります。
すぐに83歩成、同玉、29馬では74香の移動合でダメ。 それで玉を74に呼んで29馬と行きたいのですが、83歩成、同玉、84銀右では74玉でなく72玉と逃げられると打歩詰。 ここでも先に74歩と打っておけば84銀右に72玉と逃げられません。

  74歩、72玉、83歩成、同玉、84銀右、74玉、29馬、65と、

84銀右は、出題コメントにあるように84銀左、94玉、95銀上、85玉、86銀引右、74玉としても同じです。
次に28馬とするために玉を73に呼びたいのですが、先ほどと同じく先に84歩を打っておく必要があります。 そのためすぐに75銀引では73玉で失敗。 75銀上以下ぐるっと回って83に呼びます。

  75銀上、85玉、86銀引左、94玉、95銀引、83玉、
  84歩、72玉、73歩成、同玉、28馬、64と、

これで馬ノコの全貌が見えてきました。 あとはしばらく楽しみましょう。

  74歩、72玉、83歩成、同玉、84銀右、74玉、38馬、65と、
  75銀上、85玉、86銀引左、94玉、95銀引、83玉、
  84歩、72玉、73歩成、同玉、37馬、64と、

  74歩、72玉、83歩成、同玉、84銀右、74玉、47馬、65と、
  75銀上、85玉、86銀引左、94玉、95銀引、83玉、
  84歩、72玉、73歩成、同玉、46馬、64と、

  74歩、72玉、83歩成、同玉、84銀右、74玉、56馬、65と、

馬を56に据えるのが馬ノコの目的。 その意味は次の収束で判明します。

  75銀上、85玉、86銀上、96玉、78馬 まで85手

銀のダイヤモンドが復活して、還元玉の詰め上がり。
銀と歩で細かく移動させながら近づくおもしろい馬ノコでした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

たくぼんさん:
入選100回に相応しいまさに"くるくる趣向"でした
山下誠さん:
4枚の銀を繰り替えながらのシンプルで楽しい馬鋸。
松崎一郎さん:
持ち歩の多さと19馬の配置から馬鋸が脳裏をかすめ、78馬の詰みが浮かんだ。
占魚亭さん:
やさしい銀知恵の輪+馬鋸。 目的が明快でたのしかったです。
川越敏司さん:
遠くから馬の援護を受けつつ、ダイヤモンド型に配置された銀がスクラムを組んでくるくると玉を翻弄し、 最後は玉も銀も初期位置で詰みになっているのが奇跡のようです。
小山邦明さん:
初めてみる馬ノコ手順で楽しめました。
おかもとさん:
銀の繰り替えが入った楽しい馬ノコ。 入選100回おめでとうございます。
池田俊哉さん:
四銀回転で玉を回しながらの複式馬鋸
83歩成のあと銀を逆回転させるところが非限定なのだろうが(計4回)、これを限定させるのはちょっと難しいか...
一筆書きのような楽しめる作品
S.Kimuraさん:
迂回手順は手を出していません.

くるくる展示室No.503 解答:9名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん  川越敏司さん
  小山邦明さん  占魚亭さん  たくぼんさん  松崎一郎さん
  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。