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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.496 大崎壮太郎さん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
受けの妙手 30手台

くるくる展示室No.496 大崎壮太郎

15飛と25金の配置からは、35金、45金と金の横追いの趣向が見えています。 でも、85玉まで行くと94の飛を取られるし96玉と逃げられても捕まりそうにありません。

先に95飛と金を取る手が正解。 これに対する受けが本作のテーマになっています。
95飛には44玉から33玉と逃げられそうですが、44玉には34金捨てが好手で、同玉、35飛、44玉、45金まで。

では合駒する手を考えてみましょう。
普通に55香合とかすると、35金、54玉、65金まで。 65金を防ぐため55金合としても、35金、54玉、45金打と金を重ねて金を取ってしまえば簡単。

そこで、65金をさせないように先に65に中合するのは?
これも35金、54玉、45金と押していくとさっきと同様の形。 香合なら75金で詰みますし、金合なら55金打と重ねて詰み。

75金を防ぐには更に先に75への中合が必要ですが、これも35金 ・・・ 55金、64玉と押して、 75合が金以外なら65金以下、75金合なら64金、同玉、94飛以下。

結局、最初に85への中合、そして75、65、55と連続合駒が必要ということがわかります。
85の合駒は、35金 ・・・ 65金、84玉(83玉、74金打)、94金までの順があるので、角合か銀合です。 75、65、55の合駒も84(74、64)金を防ぐために角か銀ですね。 角合は22角打があったりして早い(棋譜ファイル参照)ので最善はすべて銀合です。 くるくる的には読むのが面倒なので、角合はなくしておければ良かったかも。

  95飛、85銀合、同飛、75銀合、同飛、65銀合、同飛、55銀合

四銀連合の趣向が終わって、ここからは取った銀を使って追い込みます。

  35金、54玉、64金、同銀、44金、同歩、43銀、同玉、

飛車を連結させる44金捨てが好手。 以下、43銀捨てで右上に追い込んで、ちょっと長い収束。

  52銀、32玉、35飛右、33桂合、同飛成、同玉、25桂、42玉、
  43銀、31玉、35飛、21玉、32銀成、11玉、22成銀、同玉、
  13桂成、21玉、25飛、32玉、22飛成 まで37手

最後13桂成に11玉は31飛成、21合、22成桂まで同手数でこれも正解。

作者 「狙いは 佐々木聡さんの中津川型の四銀連合です。
佐々木聡さん「中津川」 (詰将棋一番星
中津川以降も同じ意味付けの連続合は作られている (墨江酔人作蛙ケロケロ作)のですが、どれも9段目で銀合を出しています。 本作が新しい点は5段目でやっているので、桂合や香合の可能性が残されているところです。 連続合といっても煩雑な合駒読みは必要なく、配置もシンプルなのでくるくる向きと思ったのですが、いかがでしょうか。」

本作も暗算ではかなり厳しいですが、趣向部分はシンプルでいいですね。 連合趣向は難しい作品が多く、くるくるではなかなか紹介できなかったので、よい機会ということで採用させていただきました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
この問題が、5問中一番の癖者だった。 しかし銀の3連続中合は圧巻。
山下誠さん:
いきなり4連続銀合に驚く。 後半はどうもスッキリしない。
松崎一郎さん:
銀の4連続合駒にビックリ。 くるくるらしからぬ難しさに少なからず苦戦しました(笑)。
小山邦明さん:
4連続銀合の理由付けがシンプルで良い。
川越敏司さん:
銀合を4連続してゆっくり飛車が寄っていく手順が見事です。
おかもとさん:
くるくるで四銀連合……時代を感じますね。
池田俊哉さん:
飛の頭に金を重ねさせないための直付け銀連合。 43銀以降長めの収束とはなるが、桂限定合を絡めてうまくまとめた印象
占魚亭さん:
序奏の銀4連続合がお見事。
おしいれの大冒険さん:
なるほどの見事な受け。 銀の連続捨合お見事。
S.Kimuraさん:
後手玉が1段目まで行くとは思いませんでした.

くるくる展示室No.496 解答:10名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん  おしいれの大冒険さん
  川越敏司さん  小山邦明さん  占魚亭さん  蛇塚の坂本さん
  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。