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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.481 本間晨一さん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
後手は持駒なし 20手台

くるくる展示室No.481 本間晨一

盤面6枚の簡素な初形。 後手は持駒なしなので、香打ちに合駒はできません。 そこで98香と打てば玉の逃げ道は85、86、87の3か所。

87玉は77馬、98玉、88馬まで。 玉が87-76-65-54のラインに行くと、常にこの馬で追う筋があります。
86玉は、87香、75玉、76香、64玉、65香、53玉、54歩、同玉(52玉は51桂成まで)でこのラインに入るので、44馬以下詰み。
そこで85玉と逃げるのが正解です。

  98香、85玉、

これで斜めに一つずれたので、次に87香と打つと同じ理屈で74玉と逃げて、続けて香を打って行きましょう。

  87香、74玉、76香、63玉、65香、52玉、

香はもうないので54香とは打てず、歩も1枚しかないので、53歩、同玉、54歩とたたくこともできません。 でも大丈夫。 51桂成、53玉としてから54歩と打てばよいのです。

  51桂成、53玉、54歩、同玉、

これで87-76-65-54のラインに入ったので、あとは馬で追い詰めるだけです。

  44馬、65玉、55馬、76玉、66馬、87玉、
  77馬、98玉、88馬 まで23手

香の離し打ちで斜めに送り、馬追いで打った香を消しながら戻る、シンプルな配置で斜め1往復の楽しい趣向詰でした。

作者「角筋を利用して、4香を連続して玉に直接打つ作品は、これまでにたくさん発表されていますが、 4香を連続して玉に1間離して打つ作品は珍しいと思い作図してみました。 玉が香打ちに対して、斜め右上に逃げるのが最長手順になるように工夫しました。 よくある趣向の変異図と言ったところでしょうか。」

最初から玉が97にいれば、98香・・・54歩、同玉、44馬・・・88馬までのおなじみの手順。 後手の持駒がなしなら、離し打ちでも同様の趣向が成立するわけです。 受方持駒指定は配置駒を増やさなくても合駒を制御でき、作者にも解答者にもやさしいので、くるくるには相性がいいですね。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
香と馬による斜め往復面白い。
中村丈志さん:
香が限定打なのが良い
山下誠さん:
香4本を斜めに並べて帰路で消す。 視覚的に美しい手順。
竹中健一さん:
ちょっと残念な気がするけどなぁ。。
松崎一郎さん:
寄せられていく王様が滑稽。
小山邦明さん:
香の威力が合駒なしという条件で最大限に出せ、なおかつ最後に綺麗に消えてしまう点が面白い。
原田雄二さん:
上手く詰め上げるものです。 くる展賛歌。
楠本晋さん:
香車の連打そして玉による気持ちいい回収で爽快でした。
森田正さん:
階段状に打った香が消えていく。美しいです。
占魚亭さん:
儚く消えた香の階段。
池田俊哉さん:
一段あかしの香打ちとは言え、形としては黒川氏「やすり」(駒場氏「朝霧」)のままな上、 黒川智記氏の玉側駒指定なし(パラ2019.11デパート3)があるので、ちょっと残念かも

香を斜めに連打してそれを全部消すのは「無双」や「舞玉」でも見られる定番の趣向で、それを離し打ちにしたのがおもしろいところ。 黒川さんは「浦島」ですね。 黒川智記さんの作品は離し打ちが2回だけで、それが狙いというわけではないので、本作の存在価値はあると思います。

那須清さん:
これって煙詰の収束に出てきますね。 持駒制限下でこんな表現があるんですね。
竹園正秀さん:
全手追手順
川端潤さん:
合駒がないというのはなんて楽なんだろう。
おかもとさん:
後手持駒なしだと、こんなにキレイにできるんですね。
ootanowatasiさん:
香4本の楽しい趣向。
嵐田保夫さん:
今回一番くるくるらいしい作。
S.Kimuraさん:
斜めに打った香車が,すぐに消えてきえていくのが良かったです.

くるくる展示室No.481 解答:19名 全員正解

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  ootanowatasiさん
  おかもとさん  川石隆志さん  川端潤さん  楠本晋さん
  小山邦明さん  占魚亭さん  竹園正秀さん  竹中健一さん
  中村丈志さん  那須清さん  原田雄二さん  蛇塚の坂本さん
  松崎一郎さん  森田正さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。