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くるくる展示室 No.471 松下拓矢さん「退化論」

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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
都詰 30手台

くるくる展示室No.471 松下拓矢「退化論」

一見して斜め送りとわかる構図。 銀が並んでいるので86銀、66玉、75銀引と送ることができそうですが、67玉と逃げられると打歩詰で失敗。 かといって76とでも67玉でやっぱり打歩詰です。

67に逃げられると困るので、これを防ぐには、と考えると、67と、同玉、68歩とと金を歩に打ち換える手順が浮かんだのではないでしょうか。 こうしてから86銀とすればもう67には行けません。

  67と、同玉、68歩、77玉、86銀、66玉、

これで斜めに一つずれて、同じような形。 これ以降は金の配置で歩打が打歩詰ではないのですが、のちに56玉などと逃げられるとやっぱり詰まなくなるので、同じように続けましょう。

  56と、同玉、57歩、66玉、75銀引、55玉、
  45と、同玉、46歩、55玉、64銀引不成、44玉、
  34と、同玉、35歩、44玉、53銀引不成、33玉、

歩打を同金と取られる変化は次の通りで、この歩は取れません。

  • 57歩に同金は46角成、66玉、75銀引まで。
  • 46歩に同金は同金まで
  • 35歩に同金は同角成、同玉、45金、24玉、25歩以下

最後はもう引く銀がありませんので、収束に入ります。

  23と、同玉、24歩、33玉、22角成、24玉、13馬、33玉、
  42銀不成、44玉、53銀上不成、55玉、22馬 まで37手

これまでと同じようにと金を歩に打ち換えますが、角捨てからその歩を消去してしまう不思議な収束で、最後は意外な都詰。

作者 「斜めに並んだと金5枚を全て歩に打ち換える趣向が狙い。 2マス後退して生駒になる感覚を「退化」と表現しました。 収束では馬捨てを入れながら最後に打った歩1枚を消去して都詰め。 1マス先の歩に馬の紐をつけることで玉の脱出を阻止するというのが歩消去の意味づけとなっています。」

と金を歩に打ち換えながら銀で斜めに送る趣向。 と金を捨てて歩に打ち換えるというのは珍しいですね。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
左下から右上に行き真ん中に戻る構想面白い。
山下誠さん:
と金を捨てて歩に置き換えていく手順が何とも不思議。
松崎一郎さん:
斜めの「と金のライン」が、詰め上りは少し下がって「歩のライン」に後退?。
S.Kimuraさん:
収束に少し悩みました.
占魚亭さん:
と金を歩にする面白いストーリーでした。
小山邦明さん:
46歩を金で支えられている局面で22馬が実現できて収束。
池田俊哉さん:
と金を歩に打ち換えて銀エスカレーターの斜め追い
帰り道もう少し戻せれば良かったが、高望みか
inokosatoshiさん:
と金を歩に変えて(退化)見事詰み上がる。

くるくる展示室No.471 解答:9名 正解8名

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  小山邦明さん
  占魚亭さん  蛇塚の坂本さん  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。