作者「妙案53番のようなタテの馬桂追いを往復でやってみました。」
妙案53番とは左図。 96金、同桂、89桂、86玉、77馬、85玉、95金、同金、97桂、94玉、95馬・・・ という感じで、間に捨て駒をはさみながら桂と馬の二枚で縦に追うおもしろい趣向です
(詰将棋博物館で
鑑賞できます)。
これを何と往復で実現したのが本作。
もちろん桂は前にしか進めないので、前半では桂跳ねではなく、次々と桂を打って進めることになります。
本作のすごいところは、往復させたことだけでなく、妙案53番とは違って間の手が一切ないこと。
折り返しも含めて、全着手が馬(角)と桂なのです。
趣向に集中できるので、たっぷり楽しめますね。
では、実際に手順を見ていきましょう。
43桂、42玉、31角、43玉、
55桂、44玉、53角成、55玉、
47桂、46玉、35馬、47玉、
桂を次々と打ちながら、角を31→53→35と大きくジグザグに動かすことで縦に移動していきます。
55桂のところ35桂と打ってしまうとあとで35馬とできないので失敗。
53角成は同玉なら33龍の一発。 55に逃げるしかありません。
47玉のところで、馬の位置を変えて折り返しを準備します。
57馬、38玉、39馬、57玉、
ここからは桂跳ねと馬で追い戻し。 妙案53番を鑑賞していればすぐわかりますね。
59桂、46玉、57馬、55玉、
47桂、44玉、35馬、43玉、
55桂、42玉、53馬、51玉、
43桂不成 まで29手
なんと、最後は玉座に還元して、初手と同じ43桂で詰め上がり。
馬と桂を連携して縦に1往復する楽しい趣向詰でした。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 川石隆志さん:
- すらすら度高い。
- 市原誠さん:
- まさか、玉が戻ってくるとは、思わなかった!!!
- 山下誠さん:
- 4三桂に始まり、5九桂で折り返して4三桂で終わる。 見事な趣向。
- 松崎一郎さん:
- 桂が躍動、往打復跳。 還元玉。
- 蛇塚の坂本さん:
- 玉が上下し元の位置に収まる見事な作品だ!
- 中村丈志さん:
- 還元玉になるとは思いませんでした。
- おかもとさん:
- この追い方で往復させるとは、さすがですね。
- ひろぽんさん:
- 還元玉になってる点と桂馬、角の活躍ですね
- S.Kimuraさん:
- 復路は桂跳ねで行くのが良いですね.
- 池田俊哉さん:
- 角と桂で追い出して馬と桂で追い戻す。
往復になったのも良く、初形と詰め上がりの対比も面白い
- 鳩森美羽さん:
- 手順は明快だが、構図の取り方に感心させられた。
- 占魚亭さん:
- 28手かけて42地点に利きを作る。 馬と桂の綺麗な連携。
- inokosatoshiさん:
- 角と桂馬の連携楽しい
- 嵐田保夫さん:
- 桂馬の三段跳ねは痛快。
先日亡くなった有吉九段と加藤九段のA級順位戦の一戦が思い起こされた。
- 浜野乙三さん:
- 原型とどめた還元玉、二手指しした様な終図。 これは見事。
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