猫田いわしさんは、この5月にTwitterで、以前創作して未発表の作品を何作か掲載しています。
本作もその一つ。
未発表の理由が「スイッチバックなんてくだらないと改めて思った」と書かれています。
スイッチバックは盤上のある駒がほかのマスに移動し、そして再び元いたマスに戻ること。
チェスプロブレムからきた用語で、最近は詰将棋でもよく使われています。
なお、二つ以上のマスを経て元のマスに戻る場合はルントラウフと呼んで区別するようです。
こちらは覚えにくいので、わかりやすい日本語名があるといいですね。
本作は何と詰方の全着手がスイッチバックというすごい作品。
一つの駒が単にスイッチバックするだけならあまり妙味がないかもしれませんが、全着手がスイッチバックとなると次元の違うおもしろさがでてきます。
手筋系の条件は調査しにくいこともあり記録に挑戦!では登録していませんが、
この条件自体聞いたことがないので、おそらく全着手スイッチバックの長手数記録(55手)と思われます。
本作では銀3枚、飛2枚、馬、と金6枚、角、銀の14枚の駒が、すべてスイッチバックします。
初形と詰め上がりとの違いは、後手84歩が発生し玉が57から78に移動しただけで、あとはすべて同じ。
この妙技、ぜひ並べてご鑑賞ください。
58銀右、46玉、47銀右、37玉、38銀右、26玉、
16飛、25玉、15飛引、24玉、14馬、33玉、
32と、43玉、42と左、53玉、52と左、63玉、
62と左、73玉、72と左、83玉、82と左、93玉、
75角、84歩合、
92と、83玉、82と右、73玉、72と右、63玉、
62と右、53玉、52と右、43玉、42と左、33玉、
32馬、24玉、14飛、25玉、15飛上、26玉、
27銀、37玉、38銀左、46玉、47銀左、57玉、
58銀左、68玉、86角、78玉、67銀 まで55手
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 松崎一郎さん:
- 32の馬が最後に効いてくるとは。
- あいうえおさん:
- 収束直前、7五に先手の角がいる状況で7四桂と跳ね出すのが筋かと思っていたら、
それをやると逆に詰まないことに気づき、慌てました。
- 山下誠さん:
- 角が7五にいれば5手詰。
そのための往復運動が楽しい。
- ひろぽんさん:
- 行って帰って遠征してますね
- 蛇塚の坂本さん:
- 7五角を指したいため25手費やし5八銀左を指したい為元に戻す25手費やしとは凄く粋な計らい。
- S.Kimuraさん:
- 最初に66の桂馬が消去できる,と余計なことを考えたのは失敗でした.
- おかもとさん:
- 大がかりなスイッチバック、かな。
- 中村丈志さん:
- 2七銀、同玉の変化が詰みとわかり嬉しかった。
27銀を同玉は、17飛、26玉、16飛引、25玉、14馬まで。
- 池田俊哉さん:
- 初形で86角→75角なら5手詰。
そのため50手掛けて角を移動する
手順構成が「バカ千日手」のような味わい
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