詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.445 菅野哲郎さん 「釣瓶」

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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
とどめは金 70手台

くるくる展示室No.445 菅野哲郎「釣瓶」

釣瓶(つるべ)とは、井戸から水をくみ上げる時に使う縄を付けた桶。 今では井戸自体も少なくなって、知らない人が多いかもしれません。

飛車とと金で6筋4筋を塞いでいるので、5筋を移動する趣向が想像できます。 持駒が桂4枚香4枚ですから、たぶん1サイクルで桂と香を1枚ずつ使うのでしょう。

53馬がいなければ62銀成から成銀を引いていけるのですが、馬の守りが強力。 44桂、同馬と動かして58香と打てば馬の利きをずらすことができそうです。 53歩合は62銀成の1手詰なので54歩合。 同香、同馬となれば62銀成が可能になります。 実は58香は55香でも、同馬と取ると一度に2段分動き、馬移動が1段分省略出来て早いので取れません。 つまり香打は55香〜58香のどこでもOKです。

  44桂、同馬、58香、54歩合、同香、同馬、62銀成、53玉、

これで玉と馬を両方1段移動させることができました。 桂香はまだ3組残っているので続けて楽しみましょう。

  45桂、同馬、58香、55歩合、同香、同馬、63成銀、54玉、
  46桂、同馬、58香、56歩合、同香、同馬、64成銀、55玉、
  47桂、同馬、58香、57歩合、同香、同馬、65成銀、56玉、

さて、桂香もなくなって、ここからどうするか。 盤面を眺めると93の角が気になりますね。 55成銀と捨てれば、82角成と活用できそうです。

  55成銀、同玉、82角成、56玉、83馬、同と、

銀が取れれば、そう、おなじみの銀歩送りの形。 折り返して再び趣向が始まります。

  65銀、55玉、56歩、同馬、
  64銀、54玉、55歩、同馬、
  63銀不成、53玉、54歩、同馬、
  62銀不成、52玉、53歩、同馬、

ここで、出題コメント「とどめは金」を思い出しましょう。 そう、71に金がいますね。 この金を使うには51に玉を誘導する必要がありますが、51銀成、同玉、61金としても馬が強くてだめそうです。 53同銀成と馬を取ってしまい、取った角を使って51に誘導するのがいい手です。

  同銀成、同玉、62角、52玉、51角成、同玉、

こうなれば、これもおなじみ、金引き追いの形ですね。 最後まで楽しみましょう。

  61金、52玉、62金、53玉、63金、54玉、64金、55玉、
  65金、56玉、66金、57玉、67金 まで71手

釣瓶をぐるぐる、3種の縦送り趣向で1往復半。 いずれも既存の趣向とはいえ、最大限の繰り返しでつなぎも簡明、菅野さんらしい気軽に楽しめる趣向詰でした。
銀歩送りと金引き追いは作例多数、最初の趣向は次の作品があります。

  • 金子義隆 近代将棋2000年10月
  • 青木裕一 詰パラ2018年10月

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

松崎一郎さん:
待ってました、遠山の金さんの電車道。
蛇塚の坂本さん:
成銀から生銀へ最後金にリレーして玉と向き合う形が面白い。
山下誠さん:
馬を引き連れて成銀引から銀追いで1往復。 双玉の効果で金引趣向のおまけまで付いた。
S.Kimuraさん:
金で往路をもう1度行くことになるとは思いませんでした.
おかもとさん:
最初の桂香での縦追いが斬新。
inokosatoshiさん:
71金がここまで移動して詰み上がるとは驚き
占魚亭さん:
3種の趣向手順が楽しめる快作。
池田俊哉さん:
桂香捨て成銀追い→銀歩送り→金追いの一往復半。 どれも見る趣向ではあるが、双玉の力とは言えすっきりした形に仕上がっているのは良い

くるくる展示室No.445 解答:9名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  占魚亭さん  蛇塚の坂本さん  松ア一郎さん  山下誠さん
  山城正樹さん

当選者は、展示室で発表しています。