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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.440 りらっくすさん

くるくるおもちゃ箱
くるくるおもちゃ箱

棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
30手台。くるくるおもちゃ箱ではやさしく楽しい趣向詰を出題

くるくる展示室No.440 りらっくす

手順中に音楽のように繰返しを含む趣向詰は、とても人気のあるジャンルです。 くるくるおもちゃ箱は、やさしく楽しい趣向詰でいろいろな趣向を紹介し、趣向詰の魅力をたくさんの人に知ってもらおう、というコーナーです。

くるくるを楽しむポイントは、繰り返す手順を見つけること。 1サイクルが分かればあとはその繰返しで楽しめます。 作意らしい手順が見つかれば、変化は「たぶん詰むよね」ですませて読まないのもOK。 「変化飛ばし」というテクニックですね。

本作は24銀成としたいのですが、と金が守っています。 そこで、26桂、同ととと金をどかせば無事24銀成が実現します。 26桂に15玉は? 12龍ができるから多分詰むよね、というのが変化飛ばしの術。 実際に、12龍、26玉、27歩、同玉、19桂、28玉、29歩、同玉、83馬で飛が取れて詰むのでご安心を。

  26桂、同と、24銀成、15玉、

この4手が繰返し手順の1サイクルです。 これがわかればしばしお楽しみタイム。

  27桂、同と、25成銀、16玉、
  28桂、同と、26成銀、17玉、
  29桂、同と、27成銀、18玉、

これでくるくる劇場の第一幕は終わり。 本作はこれより幕間の手順を経て第二幕に向かいます。

  12龍、27玉、81馬、同飛、28歩、同玉、

ここからは、「銀歩送り」と呼ばれる趣向に移ります。 江戸時代からたくさん作られている有名な趣向です。

  37銀打、27玉、28歩、同と、
  36銀、26玉、27歩、同と、
  35銀、25玉、26歩、同と、
  34銀、24玉、25歩、同と、
  33銀不成 まで39手

往復の趣向が、共にと金を連れていくお供連れの趣向ですが、前半の趣向ではと金が邪魔なので桂捨てで遠ざけるのに対し、 後半の趣向では玉の逃げ道を塞ぐために歩捨てで近づけるのが対称的でいいですね。 結局25のと金は29まで行って、また25まで戻ってきます。 これこそが作者の狙いでした。

作者「金桂送りでと金を押し上げ、銀歩送りで引き戻す、と金の往復がテーマです。
余詰・変化処理が厄介で苦心の配置になってしまいましたが、ちゃんと4桂捨てて還元とに出来たので良しとしました。」

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

はむきちさん:
エレベーターのような動きも楽しいですし、解きやすくて良かったです。
蛇塚の坂本さん:
行きは成銀と玉とと金で帰りは生銀と玉とと金で銀は元に戻るとは粋だねぇ?
山下誠さん:
成銀と生銀による往復の相似形の趣向は面白い。
松崎一郎さん:
桂で下げて歩で上げる楽しい趣向。
小山邦明さん:
楽しく上下するエレベータの手順でした。
ひろぽんさん:
くるくる楽しい銀のエレベーター
占魚亭さん:
還元と金。 心地よい手の流れ。
おかもとさん:
縦追いの往復。
往路、桂捨てで玉が上がるのはよく見るけど、下がるのは珍しい。
池田俊哉さん:
桂歩送りからの銀歩送りの一往復もの。 手順は長いが考えるところがほぼないのが逆に良い
S.Kimuraさん:
復路に切り替わるところで少し悩みました.
浜野乙三さん:
第1幕玉成銀桂トリオ、間奏曲馬飛デュエット、第2幕玉生銀歩トリオという感じ。
金少桂さん:
▲1二龍△2四玉迄2手詰?(笑)みたいな初形と詰上りの対比が面白い。

くるくる展示室No.440 解答:15名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  金少桂さん  小山邦明さん  占魚亭さん  中村丈志さん
  浜野乙三さん  はむきちさん  ひろぽんさん  蛇塚の坂本さん
  松ア一郎さん  山下誠さん  山城正樹さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。