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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.420 本間晨一さん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
後手持駒は歩1枚 30手台

くるくる展示室No.420 本間晨一

まずは42飛成と王手したくなる形。 13に逃げるのは22龍で簡単ですから32歩と合駒する一手(後手は歩1枚しか持っていません)です。 次に13歩、同玉も必然。

続けて14歩と叩くのは同玉なら44龍で詰むのですが、12玉と戻られるとどうしようもない。 かといって43龍には33歩の移動合で、14歩、同玉、44龍と追撃しても34歩と再び移動合で、もう歩は品切れ。

64に置かれている香に注目しましょう。 43龍から44龍では持駒がなくなって失敗しましたが、53龍から64龍とすれば香を取れて、34歩に16香と打てば15歩合は二歩で打てないのでこれで詰み!

ところが、受方もそう簡単にはあきらめてはくれません。 53龍に43歩と中合して抵抗するのです。

  42飛成、32歩合、13歩、同玉、
  53龍43歩合、同龍、33歩、14歩、同玉、

でも、これで趣向が見えてきました。 質駒を取りにいく龍に対して、中合から移動合で対抗するパターン。 6筋には65香、66金とまだ質駒がありますから、続けて取りにいけます。

  54龍44歩合、同龍、34歩、15歩、同玉、
  55龍45歩合、同龍、35歩、16歩、同玉、

次は66金のため56龍とは行けませんが、質駒の香が57にあるので、46龍でもこの香を取れそうです。

  46龍、36歩、17歩、同玉、

ここで趣向は終了、予定通り香を取って収束に入ります。

  57龍、同金、19香、18飛合、同香、同玉、19飛 まで33手

質駒を狙って遠ざかる龍に対し、そうはさせじと中合で龍を近づける。 結果として龍がノコギリ状に動く、緊張感のある縦送り趣向でした。

作者 「歩中合入りの縦型細目龍鋸です。歩の中合を絡めた縦型の龍鋸の回数は3回と少ないですが、類例は少ない(?)のではと思っています。 攻め方の持駒は歩2で、玉方の持駒は歩1と持駒を制限しているので、合駒選択の煩雑さはなく、狙いが判ればくるくるを楽しんでいただけると思います。」

本作を出題したあと、作者は「初手に飛車の遠打ちを入れることができると気付きました」。 それがこの改良図で、29飛、12玉以下は本作と同じ手順の35手詰です。 このシンプルな初形で飛の最遠打が入るのはすごいですね。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
お互いに歩の需要と供給のバランスが取れていて面白い。
蛇塚の坂本さん:
香と飛の特性を活かした作品だと思いました。
S.Kimuraさん:
最後に合駒ができることをうっかりしそうになりました.
占魚亭さん:
53竜からの趣向手順がいいですね。
小山邦明さん:
詰方は香が欲しいが玉方も中合いで応戦してなかなか取らせない。
おかもとさん:
もう1回くらい龍ノコができそうだけど、むずかしいのかな。
中村丈志さん:
桂の効きを頭の中で確認するのが大変でした。
池田俊哉さん:
縦引きの龍鋸。持駒制限をうまく収束に生かしているが、 29龍としてしまうと今度は29龍の龍鋸で詰んでしまう...一石二鳥の配置かな
浜野乙三さん:
見事な中合技+龍ノコ

くるくる展示室No.420 解答:8名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん   おかもとさん  小山邦明さん
  占魚亭さん  浜野乙三さん  蛇塚の坂本さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。