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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.419 りらっくすさん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
桂馬の舞 30手台

くるくる展示室No.419 りらっくす

玉以外は全て詰方の駒という無防備図式。 すかすかで一見広そうですが、駒の利きを確かめてみると、34から67まで斜めのレールが敷かれていることがわかります。

4枚の桂がどんな舞で楽しませてくれるのか、さっそく46桂打からスタートしてみましょう。 43玉は42角成まで。 45玉と斜めのレールにそって逃げるしかありません。 まずは桂を4枚とも舞台に登場させましょう。

66角が浮いているので、途中68桂のときにすぐに66玉と角を取ると、79桂打が不要になって2手短く詰むだけ。 67玉、79桂と最後の桂も打たせてから66玉と角を取ります。

  46桂、45玉、57桂、56玉、68桂、67玉、79桂、66玉、

66角はなくなってしまいましたが、4枚の桂で、66から22まで新たな斜めのレールが敷かれています。 77銀、55玉となれば、今登場した4枚の桂の活躍のチャンス。

  77銀、55玉、
  67桂、44玉、56桂、33玉、45桂、22玉、34桂、12玉、

全部の桂が跳ねたところで、次の趣向に備えて馬を作ります。

  13歩成、同玉、31角成、23玉、

4枚の桂が跳ねたことによって、23から67の最初の斜めのレールが復活していることに気づかれたでしょうか。 このレールに沿って馬で追いかけることで、4枚の桂は1枚、また1枚と退場していきます。

  22馬、34玉、33馬、45玉、44馬、56玉、55馬、67玉、
  66馬 まで31手

桂打ち、桂跳ね、馬追いで桂消去と斜め1往復半の桂の舞。 お楽しみいただけましたでしょうか。

作者 「ナナメの四桂追い戻しです。 このテーマは無双42番が金字塔で特に新味を感じられるものではありませんが、くるくる向けに限りなくストレートに表現してみたものです。 竜ではなく角を使うことで変化も少なくシンプルに仕上がりました。」

三代伊藤宗看の将棋無双第42番詰将棋博物館)は3手目47桂打で斜め4枚の桂が並び、 その利きを使って斜め龍追いで1往復、それから4枚の桂を跳ねて、最後に龍追いで桂を全部消すという「四桂斜追戻り詰」。

本作も桂を跳ねてその桂を消す点は共通していますが、無防備のシンプルな初形で実現したこと、4枚の桂打から入っていること、 変化や折り返し手順を最小限にしたこと、龍ではなく馬で桂を消したことなど、無双の重厚な表現と対比して、非常に現代的な表現。 まさにくるくる版の「四桂斜追戻り詰」といえるでしょう。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
打った4枚の桂が右上に向かって連続二段跳ねするのは壮観。 しかも、その桂を玉で全て消去する収束のおまけ付き。
S.Kimuraさん:
打った桂馬が消えていくところが良いですね.
占魚亭さん:
盤上に架かって消えた桂の階段。
小山邦明さん:
4枚の桂を打って跳ねて消えてと桂の舞ですね、特に桂の効きに馬が動いていくのが良いと思いました。
おかもとさん:
これはきれい、完成品ですね。
中村丈志さん:
桂の効きを頭の中で確認するのが大変でした。
池田俊哉さん:
無防備玉から四桂打-四桂跳び-馬追いで四桂消去、で一往復半は見事
ややこしい変化がないのもくるくるらしくて良い
浜野乙三さん:
王様が馬に乗って山を上下。 愛宕山の如し。 くるくるペースが見えるまで苦労しました。

くるくる展示室No.419 解答:8名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん   おかもとさん  小山邦明さん
  占魚亭さん  中村丈志さん  浜野乙三さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。