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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.411 本間晨一さん

くるくるおもちゃ箱
くるくるおもちゃ箱

棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
くるりくるくる 50手台

くるくる展示室No.411 本間晨一

初形の駒の利きをよく見ると、五段目、七段目のいずれも1筋、3筋と一つおきに詰め方の駒が利いていることがわかります。 そして、六段目は26・46・66・86に歩があって玉は行けません。 つまり、五段目から七段目で玉が行けるところに色を付けると、市松模様になっています。

本作は、この市松模様の中を玉がくるりくるくるしていく楽しい趣向。 追いかけるエンジンは36にある飛で、こちらもくるりくるくるです。

では、手を進めて行きましょう。

  35飛、16玉、15飛、27玉、17飛、36玉、37飛、25玉、
  35飛、16玉、15飛、27玉、

まず1回転して37の歩を取ります。 続けてもう1回転しますが、このまま回転を続けては千日手。
取った歩を28に打てば、この回転ルートは塞がれて、次の回転に移れます。
37飛のとき、すぐに45玉と次の回転に移ることも玉方は選択できますが、35飛、56玉、55飛と同様に追って、 67玉なら68歩、47玉なら48歩と玉が七段目に来たとき楔を打ち込めばOK。 これは手数が短くなってしまうので、28歩を打たせてから次の回転に移るのが正解です(以降も同様)。

  28歩、36玉、35飛、47玉、37飛、56玉、57飛、45玉、
  55飛、36玉、35飛、47玉、

ここで48歩を打てば二つ目の回転ルートも封鎖できます。

  48歩、56玉、55飛、67玉、57飛、76玉、77飛、65玉、
  75飛、56玉、55飛、67玉、

続けてくるくる楽しみましょう。

  68歩、76玉、75飛、87玉、77飛、96玉、97飛、85玉、
  95飛、76玉、75飛、87玉、

もう逃げ場はありません。 最後の飛移動で収束します。

  88歩、96玉、95飛 まで51手

作者 「飛追廻しによる玉と飛のくるくる回転です。
飛で歩を入手してからの歩打ちで回転の歯止めとし、次の回転場所へ移動します。
右辺から左辺に回転場所が移動し、4か所で玉と飛が右回りに回転する趣向になっています。
目が回ることもないやさしい手順なので、楽しめると思います。」

飛車の回転はよくある趣向ですが、それ自体をユニットとして横に4回繰り返すのは初めてで、たっぷり楽しめたのではないかと思います。

詰将棋パラダイスの読者の方は気づかれたかもしれません。 本作出題と同時に発売された7月号の大学院で、中出慶一さんが本作と同じ趣向の作品を発表しています。 解答未発表なので、ここでは掲載しませんが、中出作は趣向以外にも狙いを持った作品ですので、読者の方はこちらもお楽しみください。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

本間瑞生さん:
飛と歩の協力
山下誠さん:
飛車と玉の動きはまさに「くるくる」の表現がぴったり。 偶然でしょうが、詰パラ7月号大学院に同趣向作品があります。

偶然とはいえ、同時の発表になってよかったです。

蛇塚の坂本さん:
くるりくるりと二度廻る処が面白い。
S.Kimuraさん:
最初は1周ずつして9筋まで行き,また1筋に戻ってくるのかと思いましたが,2周ずつして進むのも面白いですね.
小山邦明さん:
くるりという表現がぴったりの飛の動き。 易しくて楽しめる好作品でした。
ぬさん:
いろいろな意味でくるくる詰将棋。
占魚亭さん:
目が廻りそう。
おかもとさん:
くるくる回りながら左にずれていって面白い。
嵐田保夫さん:
十二手一組の4サイクルプラス三手のくるくる。
池田俊哉さん:
飛の回転追いから歩打ちで退路を塞いでいく。
詰パラ7月号大学院と偶然のコラボ? 作者名を確認してしまった...

偶然のコラボでした。

浜野乙三さん:
回転ノコ

くるくる展示室No.411 解答:12名 全員正解

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  小山邦明さん  占魚亭さん   ぬさん  浜野乙三さん
  蛇塚の坂本さん  本間瑞生さん  山下数毅さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。