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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.406 おかもとさん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
だんだん長く 40手台

くるくる展示室No.406 おかもと

4枚並んだ金と2枚の飛車。 金をはがしながら横に送る趣向が想定されますが、それだけではよくある趣向。 本作は、その趣向を発展させたもので、出題コメントにあるように1サイクルが「だんだん長く」なるおもしろい趣向が出現します。 実際に手順を進めてみましょう。

  48と、同金、同飛、59玉、

48とに59玉と逃げるのは58と以下金が2枚取れるので、手数はかかるものの簡単です。
また、 48同飛に39玉と逃げるのは、38金、同銀、同飛右、29玉、18銀、19玉、39飛まで。 この変化はこれからも登場するのでおぼえておきましょう。

さて、1サイクル目は4手で終わりましたが、次はどうなるでしょうか。

  58金、同金、同飛、49玉、48飛左、59玉、58金、69玉、

すぐに58同飛にすぐに69玉と逃げれば1サイクル目と同様ですが、ここで49玉と戻る手があります。 48飛左とすれば、39玉は先ほどと同じ変化で詰むので59玉。 そこで58金と打てばようやく69に追うことができました。 さて次のサイクルは?

  68金、同金、同飛、59玉、58飛左、49玉、48飛左、59玉、
  58金、69玉、68金、79玉、

2サイクル目と同様に68同飛にいったん59玉と逃げると、今度も49まで逃げられるので、飛追い+金追いの流れが2手ずつ長くなって、12手サイクルに。 確かにだんだん長くなっていますね。

  78金、同金、同飛、69玉、68飛左、59玉、58飛左、49玉、
  48飛左、59玉、58金、69玉、68金、59玉、

最後のサイクルもさらに長くなります。 これまでの流れなら最後68金に79玉のはずで、実際、その解答も多かったのですが、79玉は29飛から88銀で詰むので正解は59玉。 ちょっと意地悪な落とし穴でした。 なお、79玉に78金以下45手解は変化別詰になるので、おもちゃ箱では正解として扱います。

59玉に58飛とすれば、今度は金のひもがついているので、29飛が成立して収束します。

  58飛、49玉、29飛、39合、38銀 まで 43手

作者 「金はがしですが、いったん48飛と戻るようにしたことで長手数になりました。」

一見ただの金のはがし送りに見えて、毎回飛追い+金追いが入り、しかもだんだん長くなるのは新鮮ですね。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

本間瑞生さん:
金で飛車に紐をつけるのが急所か
山下誠さん:
単純そうに見える横追い趣向だが、適度に読みが必要。
蛇塚の坂本さん:
金と2枚の飛との連携面白い。
S.Kimuraさん:
玉は最後に79まで行くのかと思いましたが,69からまた折り返してくるのですね.
波多野賢太郎さん:
これで40手以上かかるのかと思いました。 飛車、金と玉の追いかけっこが楽しかったです。
嵐田保夫さん:
こういうのは気が短い人はイライラして投げ出したくなりそうな作品。 基本1八銀打で詰す形で、変化で8九とを忍ばすあたりはなかなかの好作と思う。
小山邦明さん:
飛と金の横への左右の動きはややこしかったですが楽しめました。
津久井康雄さん:
何とも巧妙な手順。 質駒の29銀がこの仕掛けのカギでしょうか。
占魚亭さん:
距離が伸びていく所が楽しい。
たくぼんさん:
ブランコのように振れ幅が広くなりますね。 少ない駒数で完成させた作者に脱帽です
ぬさん:
変化で迷うところがあり、意外と難しい。

39飛まで41手解。 最後のサイクルで68金に59玉と戻る手が長いのを見落としたと思われますが、趣向は概ね解けているので甘くみて正解扱い。

浜野乙三さん:
試行錯誤やら千日手やらしましたが何とか正解らしき40手台になりました
池田俊哉さん:
39へ玉が戻ったら簡単、ということが分かればすっきり進む軽趣向作
七段目の桂二枚でうまく成立している

くるくる展示室No.406 解答:14名 全員正解

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  小山邦明さん  占魚亭さん  たくぼんさん  津久井康雄さん
  ぬさん  波多野賢太郎さん  浜野乙三さん  蛇塚の坂本さん
  本間瑞生さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。