香先香歩という詰手筋があります。
持駒に香と歩があるとき、どちらでもよければ大事な香を残して歩を使うのが普通ですが、あえて香を使うという手筋。
本作では初手12歩でも12香でも21玉と逃げるしかなく、それなら12歩で間に合わせようとしたものですが、実は正解は12香。
本作では香より歩の方が大事なのです。
3手目以降もあと3回歩打か香打かの選択が続きます。
歩は1枚しかないので、どこかで打ってしまうと持駒は香になり、4回とも香打だと持駒は歩になります。
52玉のとき、53に持駒を打つことになりますが、この駒を歩にしたいというのが、4回とも香打にする理由。
12香、21玉、22香、31玉、32香、41玉、42香、52玉、
53歩、61玉、
なぜ53香ではだめなのか。
それは手順を進めれば明らかになります。
71歩成、同飛、63龍、同桂、62歩、51玉、43桂 まで17手
53香だと51に行けないので、62歩が打歩詰になってしまい詰まないのですね。
香先香歩連続4回、香打による横送りの趣向詰でした。
この趣向自体は、七條兼三さんの将棋墨酔第49番など数作あり、短いところでは鈴川優希さんの13手の作品があります。
これは3手目から香打が始まっているので、最短では11手でできることになりますね。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 本間瑞生さん:
- 香が横にずらーっと並んでいくのがおもしろい
- 蛇塚の坂本さん:
- 初手から持ち駒連打が気持ち良い。玉方の飛の利用面白い。
- 原田雄二さん:
- 打つ順番が大事。歩は最後まで残しておくこと。
- 占魚亭さん:
- 打歩詰に気をつける。
- 山下誠さん:
- 香先香歩も4回続けばユーモラスな趣向。
- 小山邦明さん:
- 打歩詰にならないように最初の4つは香を打つ。
- S.Kimuraさん:
- どうしても初手に歩を打ちたくなってしまいますね.
- りらっくすさん:
- くるくるに高級手筋が!
- 和田裕之さん:
- 4連続香先香歩。
- 宮田敦史さん:
- 将棋図巧、将棋無双を思い出すような手順。
- 津久井康雄さん:
- 過剰なまでの香先香歩。
- ぬさん:
- 2016年3月詰パラデパートの武島作の分かりやすい版。
こちらは香先香歩4回の斜め送り。 31手の本格的な作品。
- おかもとさん:
- 香先香歩の拡張版。くるくるで作るとこうなりますか。
- 小嶋拓治さん:
- 手順は限定できないけれど、持駒に歩が多い方が最後まで香を残したいという気持ちが働きそう。
確かに歩が1枚しかないと大事にしたくなるかもしれませんね。
- 嵐田保夫さん:
- 馬鹿馬鹿しいけどとぼけた味がある。
- 米澤歩登さん:
- 意味付けも単純明快でくる展向き。
- 浜野乙三さん:
- 香先香歩と言うのですかね
- 池田俊哉さん:
- 香先香先香先香先香香香香歩。見た瞬間わかるが、この順番じゃなかったら逆に恐ろしい
途中で限定だったらパズル展ですね。
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