無防備飛び石図式+四金持駒のきれいな初形。
金が9枚あれば八段目に打っていけば詰みますが、4枚しかないので、節約する必要があります。
最初の節約は98金と打たずに98と。
取れば88金で簡単なので、89玉の一手。
続いて88とと二段活用すれば2枚分節約できます。
98と、89玉、88と、79玉、
次は78金と打つしかなさそう。
69玉に今度も68金と寄って二段活用するのが好手です。
78金、69玉、68金、59玉、
68同玉なら58金と打てばまだ金が2枚あるのでぴったり。
続けて二段活用していきましょう。
58金打、49玉、48金、39玉、
38金打、29玉、28金、19玉、
18(29)金打 まで17手
最後は39玉、38(49)金打でもOKですが、作意は19玉と逃げて「一」の軌跡曲詰。 金打〜金寄の二段活用で横に送る正月らしい趣向詰でした。
金が5枚あれば97とを省いて持駒の金にしたかったところです。 それなら初形飛び石の「一」になるし、詰上りは五金詰になります。
詰将棋では使用駒は指将棋の40枚のセットまたは玉1枚除く39枚のセットとされていますが、この制約をはずすフェアリー詰将棋を考えると、いろいろおもしろい作品が作れそうですね。
その場合は受方の持駒が「残り駒全部」ではわからないので、受方持駒指定にすべきと思います。
米澤歩登さん:
- 既視感があり調べたところ、スマホ詰パラNo.8834と似ていた。
ご指摘ありがとうございます。 さっそく見てみたら、現ノ証拠さんの、銀一色図式に金一色持駒、詰上りは金銀詰という様式美あふれる作品でした。
銀が消えないので、雰囲気は違いますが、手順は似ています。 最初の金だけ二段ではなく四段活用できるので、金4枚で足りるわけですね。
なお、詰棋界1953年1月に、銀が2枚の水上弘さんの作品があります。
手順は同様で、こちらは7手目48金寄のところ48金打でもよいキズがあります。
三段活用2回になるので、48金打の手順の方がおもしろいかもしれません。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 本間瑞生さん:
- 注意してないと金を節約できるのを見逃しそう
- 蛇塚の坂本さん:
- 実に金を節約した手順だと思いました。
- 原田雄二さん:
- 初手98金と指してしまいそう。金を節約しないと詰みません。
- 占魚亭さん:
- 寄る手の感触がいいですね。
- 山下誠さん:
- 金(と金)寄・金打の繰り返しがリズミカルな横追い趣向。
- 小山邦明さん:
- 面白い送りの手順。
- S.Kimuraさん:
- 紐がついていない「と金」や金が取れないのに意表を突かれました.
- りらっくすさん:
- 本気で金が5枚足りないと思いました。
- 三宅周治さん:
- 5一玉、3列目に歩が並んだ詰将棋を思い出しました。
- 森美憲さん:
- 意外と考えさせられた。
- 和田裕之さん:
- 銀も節約されてる。
- 宮田敦史さん:
- 紐の付いてない、 7手目68金(寄)が好手。徹底して趣向的な手順。
- 市原誠さん:
- お正月に相応しい内容!
- 千葉肇さん:
- 最終手非限定。故に3九玉と戻るのが作意?
5九銀では余詰?
39玉でも最終手は非限定ですね。
59も銀にできればきれいなんですが、98金、89玉、78銀以下の余詰あり。
でもそのため59歩になって68金寄の味がよくなったかも。
- 津久井康雄さん:
- 7手目68金と何もないところにスッと寄る手がいいですね。
- 熊谷繁雄さん:
- ムーンウォークな金。
- ぬさん:
- 解くと、金打のタイミングをちょっと考えることになる。
最近開かれてないパズル展向き。
- 原雅彦さん:
- 59歩を無視すると金4枚では足りない。
- おかもとさん:
- 正月向けに、軌跡で「一」を描いたのかな。
軌跡曲詰として考えると、最後の変同がちょっと痛いですね。
- 小嶋拓治さん:
- 銀盤を滑る美しさ。
- 嵐田保夫さん:
- 新年早々簡明作で感銘しました。
- 浜野乙三さん:
- カニですね
- 池田俊哉さん:
- 金の横滑り。59歩一枚で手順がうまく成立している
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