金の塊と持駒の桂4枚から考えると、桂を使って金をはがす趣向ではないかと見当がつくところ。
ということは玉を13に誘導して25桂から33桂成という手順が浮かびます。
14銀左、22玉、13銀成、同玉、25桂、23玉、33桂成、同金、
25桂に22玉と逃げるのは、次のサイクルですぐ13金と捨てられるので2手短くなってしまいます。
また、33桂成を同玉は25桂で簡単。
同金は「順番は非限定」なので、どの金でとってもOKです。
この8手サイクルで、33の金を1枚はがすことに成功しました。 25の銀はなくなりましたが、代わりに持駒に金が入手できたので、同様の手順を繰り返すことができます。
23玉のときは、あわててすぐに13金と捨てると同角で失敗。 先ほどと同様14に打ってから13に捨てる必要があります。
14金、22玉、13金、同玉、25桂、23玉、33桂成、同金、
14金、22玉、13金、同玉、25桂、23玉、33桂成、同金、
14金、22玉、13金、同玉、25桂、23玉、33桂成、同玉、
金を全部取ってしまえば、最後は33桂成を同玉と取るしかありません。 ここから収束です。
32金、23玉、43龍 まで35手
作者 「8手1組の金はがしです。」
桂で金などをはがすのは、はがし趣向では一般的なパターンで、たくさん作られています。
普通はすぐに金を捨てる6手サイクル。
ここでは、その中からくるくる的な表現の作品を1作紹介しておきましょう。
本間晨一さんの作品(詰パラ1996年2月)で、21香成、同玉から、「11金、同玉、23桂、21玉、31桂成、同金」
の6手サイクルで金や飛をはがしていきます。
手順は棋譜ファイルを参照してください。
ぬさんの作品は金打ちから金捨てとワンクッションおいて捨てることで8手サイクルの金はがしになっています。
検索したところでは前例は見つからず、はじめてのパターンのようです。
よくある趣向も、このように一工夫加えることで、新たなパターンにできることがあります。
みなさんもいろいろ考えてみてはいかがでしょうか。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 蛇塚の坂本さん:
- 金と桂の威力良く表していると思う。
- S.Kimuraさん:
- 25にいる銀が邪魔であることに気づかず,桂馬の打ち場所に悩んでいました.
- 山下誠さん:
- 素朴な金剥がし趣向。 1四に打って2三に擦り込むのがよいアクセント。
- 長谷繁蔵さん:
- 面白い面白い 手数間違っているか
43龍まで33手解。 実質解けていると思われるので、正解として扱いました。
- Pathfinderさん:
- 桂馬による駒剥がし。打った駒を滑らせて捨てる感触が好みなので25銀は持駒にしても面白いかも。
持駒の方があとのサイクルと統一感があっていいかもしれませんね。
- おかもとさん:
- 4金を4桂ではがす作品として、パラ1979年6月の有吉弘敏作や、パラ2004年6月の高木道雄作などがあるが、
本作は14金〜13金の手が入って新作になっていると思う。
- 津久井康雄さん:
- 金の捨て方に一工夫あるところがいい。
- 小山邦明さん:
- 両取り手順を駒損しながら繰り返すが最後に詰めば良いという実戦的な感覚もあるくるくるでした。
- 占魚亭さん:
- 金剥がし&14〜13のリフレイン。これぞ趣向作という感じ。
- ハマGさん:
- ダンゴ金が次々すっきり、金秘解消
- 嵐田保夫さん:
- ありそうであまり無いと思われる面白いアイディア。
- 池田俊哉さん:
- 桂による金剥がしだが、31角の効きを回避するための金のすり込みと序の銀のすり込みがエコーしているのが、また楽しい。
順番は非限定と言う言葉を信じて詳細な変化は調べません(笑)
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