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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.380 りらっくすさん

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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
ジグザグ 30手台

くるくる展示室No.380 りらっくす

りらっくすさん、初登場。 どんな趣向を見せてくれるのでしょうか。

66桂・68桂や36銀・38銀が何となく趣向を予感させる配置です。 これらの駒が利いている4筋・5筋で玉が行けるマスを確認してみると、 53、44、55、46、57、48、59とジグザグのレールが敷かれていることがわかります。

61から72に逃げられてはいけないので、初手は42歩成と角筋を通す一手。 同玉に41角成とすれば、53からのジグザグの軌道に乗れそう。 そう、52馬、43馬と馬でジグザグに追うことができますね。

  42歩成、同玉、
  41角成、53玉、52馬、44玉、
  43馬、55玉、54馬、46玉、
  45馬、57玉、56馬、48玉、
  47馬、59玉、

九段目まで到達して69金まで詰みと思ったら、99飛が利いています。 そこで69馬、48玉、49銀と折り返し。

  69馬、48玉、49銀、57玉、

ここからなんと、再び馬のジグザグ追いが始まります。

  58馬、46玉、47馬、55玉、
  56馬、44玉、45馬、53玉、
  54馬、42玉、43馬、51玉、
  52馬 まで33手

玉の軌跡 51まで戻って還元玉で詰み。

作者「易しく楽しい趣向作が出来たので投稿してみました。 玉が51-59-51へとギザギザの軌跡で往復するのがテーマです。 とりあえずノンストップで折り返せている所は良いと思います。」

玉の軌跡を振り返ると、右図のように51から59までジグザグに移動、そして折り返して同じ軌跡を今度は51まで戻ります。 馬の往復ジグザグ追いという楽しい趣向でくる展で出題したのですが、 きれいな軌跡でノンストップで1往復する軌跡曲詰で、アート展で出題してもよかったかも。

なお、往復のジグザグ追いは、趣向詰の大家、黒川一郎さんも創作しています(「谷渡り」、近代将棋1975年3月)。

りらっくすさんの作品が馬のジグザグ追いで往復するのに対し、「谷渡り」は金のジグザグ追いと馬のジグザグ追いを交互に繰返し2.5往復する、 これもとても楽しい作品。 棋譜ファイルを置いておきますので、こちらも是非ご鑑賞ください。

「谷渡り」は残念ながら早詰がありましたが、利波偉さんの「黒川一郎研究」でも取り上げられていて、風みどりさんによる修正図が紹介されています。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
玉が見事にジグザグしながら上下往復する様は素晴らしい。
S.Kimuraさん:
99にいる飛車を不審に思っていましたが,そのお蔭で復路ができるとは思いませんでした.
山下誠さん:
後手の選択肢は常に1手。強制的なジグザグ経路を辿って還元する。
長谷繁蔵さん:
お帰り 意外な詰上り
Pathfinderさん:
43歩がなければ一手詰…馬の長旅から帰ってきたら43歩が消えていた。
おかもとさん:
酔っぱらい、千鳥足でも帰路を忘れず。
津久井康雄さん:
59での詰上がりかと思ったところで復路に入って還元玉。 おみごとです。
小山邦明さん:
シンプルな馬鋸の往復はすばらしい
占魚亭さん:
ギザギザの軌跡で還元玉。面白かったです。
ハマGさん:
邪魔歩を消した後、角さんと長旅
嵐田保夫さん:
こりゃドリブルの練習だな。
池田俊哉さん:
盤中央を縦にジグザグ一往復。メインで動く馬も良いが16角も陰の立役者。 見ようによっては43歩の邪魔歩消去とも言える?

くるくる展示室No.380 解答:14名 全員正解

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  キリギリスさん  小山邦明さん  占魚亭さん  津久井康雄さん
  Pathfinderさん  長谷繁蔵さん  ハマGさん  蛇塚の坂本さん
  山下数毅さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。