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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.373 酒井博久さん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
雪隠詰 30手台

くるくる展示室No.373 酒井博久

盤面5枚持駒1枚というシンプルな無防備清貧簡素図式。 しかし、気軽に取りかかると、くるくるらしからぬ落とし穴が待ち受けています。

初手は香捨てしかなさそう。 同玉と取らせて87歩、19玉となれば、いつか見た飛龍追いで詰む?

  16飛、29玉、18龍、39玉、
  36飛、49玉、38龍・・・78龍、99玉、96飛 まで21手?

趣向手順で出題コメント通り雪隠詰になるものの、30手台ではないですね。 実はこの手順、途中で77歩とか中合されると87歩がジャマして飛を転回できず詰まないんです。

それじゃあ不詰かというと、単独の飛追いで左に追う手があります。

  16飛、29玉、26飛、39玉、36飛・・・76飛、69玉、
  78龍、59玉、56飛、49玉、58龍・・・38龍、19玉、16飛 まで29手?

なんと往復趣向。 飛追いの途中で戻るのは後半の飛龍追いが短くなって早い。 この順なら歩の中合は意味がなく単なる無駄合です。 しかしこの順も30手台には届かず。 どこで間違えたのかな。

最初の香捨てを取らずに27玉とかわす手がありました。 87龍では飛を取られてしまうので、37飛、18玉、87歩となれば2手長くなって31手に。 これが正解です。

  18香、27玉、37飛、18玉、87歩、19玉、

  17飛、29玉、27飛、39玉、37飛、49玉、
  47飛、59玉、57飛、69玉、67飛、79玉、

  77飛、69玉、78龍、59玉、
  57飛、49玉、58龍、39玉、
  37飛、29玉、38龍、19玉、
  17飛 まで31手

作者 「87歩1枚で飛の往復が成立していますが、先例はあるのでしょうか?
あまりに単純なのでないとは思えないのですが、具体例が思い浮かびません。」

くるくるNo.64 確かに、往路の飛追い、復路の飛龍追いとも既存の趣向で、 くるくるおもちゃ箱でも、飛追いはくるくるNo.47(逆向き)、 飛龍追いはくるくるNo.64で紹介しています。

しかし、調べてみたところ、この組み合わせで往復する作品は見つからず、本作が初めてのようです。

この簡素形から、歩1枚で往復趣向を実現しているところは素晴らしいですね。 19玉で31手で詰みと、2019年(平成31年)の新春詰将棋としてもぴったりです。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
飛と龍の連携が縦に使われるのは珍しい。
長谷繁蔵さん:
幼稚園の園長さん、約束通り解きました
98竜をなかなか動かさないのに腹が竜
山下誠さん:
玉が1九から7九まで横に一往復。 手数が不安。

惜しい。 29手の落とし穴にはまってしまいました。

S.Kimuraさん:
出だしが難しかったです.
縦に追うのかと思いましたが,横でしたか.
小山邦明さん:
初手に対して玉を1回逃げて手数かせぎ。
たくぼんさん:
9手目18龍として首を捻る。 作者に一杯食わされる(笑)
原田雄二さん:
龍と飛により雪隠詰。
嵐田保夫さん:
8筋の歩を巡る攻防をくるくるの中でうまく表現した。
津久井康雄さん:
88歩の配置がミソですね。
きたさん:
最後まで左に追うと詰まない。 88歩がうまい配置。
鳥本敦史さん:
これだけシンプルにこの趣向が纏まるとは。
おかもとさん:
往路は並足、復路はスキップ。
ハマGさん:
雪隠詰30手台にはなったもののこれで最長かどうか?
池田俊哉さん:
87歩がないと往復にならない、と言うことはそれを生かすうまい序を付けたということですね。 シンプルな一往復
占魚亭さん:
行きは二人、帰りは三人。

くるくる展示室No.373 解答:20名 正解19名

  赤井秀雄さん  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  ウリンチャージさん
  S.Kimuraさん  おかもとさん  川端潤さん  きたさん
  キリギリスさん  小山邦明さん  占魚亭さん  たくぼんさん
  津久井康雄さん  鳥本敦史さん  長谷繁蔵さん  ハマGさん
  原田雄二さん  蛇塚の坂本さん  山下数毅さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。