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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.364 菅野哲郎さん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
金銀は残らない 30手台

くるくる展示室No.364 菅野哲郎

菅野哲郎さんのくるくる作品は、初形や詰上りにも趣向を凝らしていることが多く、随所に遊び心がうかがえます。 本作の初形も、盤面は京都府(香と歩)+角の全駒図式で、金銀二色持駒「鞍馬III」などの鞍馬シリーズのような雰囲気がありますね。

攻めの中核は99角と88のと金。 守りは33角が強力です。 離れているので、まずは銀を捨てて玉を88とに引き寄せます。

  43銀、同玉、54銀、同玉、65銀、同玉、76銀、同玉、

銀打に逃げる手もありますが、くるくるでは作意らしい順が見えたら変化とばしもよい戦略。 心配な方は上記棋譜か棋譜ファイルでじっくりご確認ください。

ここが本作最大のポイントです。 33角の利きに抵抗して77金・・・44金打と金を打っていく趣向が目につきますが32まで戻られると角を取っても続きません。 角の利きに66金と捨てるのがすばらしい手で、 同角なら77金から66金で角が取れて早く、同玉なら33角の利きが止るので77とと攻めることができます。

  66金、同玉、77と、65玉、

この4手で斜めに一つ移動させることに成功。 変化は気にせず、続けて楽しみましょう。

  55金、同玉、66と、54玉、
  44金、同玉、55と、43玉、

ここまでくれば、44金から33金と角を取る攻めが成立し、収束に入ることができます。

  44金、32玉、33金、同玉、54と、24玉、
  33角打、14玉、15角成、同玉、
  33角成、24香合、16香、 まで33手

最後はどう応じても香打まで。 作意順では京都府全駒+馬の鞍馬風の詰上りになります。
銀捨てによる斜め送りから、角の利きに金を捨てながらと金で追う斜め往復趣向
この発想は・・・

作者「谷川先生の記念作の手順を斜めにした感じの趣向。
(「初形32玉」をそろえてみました(笑))」

詰パラ650号に掲載された、谷川浩司九段の同人入り記念作品から来たものでした。 二つ並べるとそれぞれの作風がよくでていて楽しいですね。 初見の方はこちらも是非ご鑑賞ください。

棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
金と守備の角とのせめぎあい、収束の3三角成は最後に9九角の威厳存在した。
長谷繁蔵さん:
66金を見つけて解決。いつもながら上手いもんです。
S.Kimuraさん:
復路の金打ちが,同角が見えているだけに,やりづらかったです.
山下誠さん:
金を捨てながらと金が斜めに前進するのは新鮮な味わい。
津久井康雄さん:
復路で角の利き筋に金を打ち捨てるのがいい。
小山邦明さん:
金銀4枚の持駒でぴったりなのが不思議な感じです。
鳥本敦史さん:
趣向はすぐわかったが収束ちょっと悩ましい。 いつも思いますがうまく作るものですね。
おかもとさん:
趣向はじきに見えたけど、細かい変化がちょっとやっかい。
ぬさん:
変化の割り切り方が上手い。
占魚亭さん:
往路の銀捨て、復路の金捨て、ともに気持ちのいい着手。
ハマGさん:
最後の24玉とその事前対策54とに手間取りました
池田俊哉さん:
金銀を使った斜め一往復。 特に角道に金を捨ててと金を進めるところが面白い
たくぼんさん:
こんな趣向はじめて見た気がします。 使用駒趣向に銀捨て金捨ての順は見事というしかありません。 独特の作風で楽しませて頂きましたが、これから見られなくなるのは残念でたまりません。

あの楽しげな投稿用紙がもう届くことはないと思うと、本当に寂しいですね。 煙詰も完成されていたようで、作品集が待たれます。


くるくる展示室No.364 解答:14名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん  キリギリスさん
  小山邦明さん  占魚亭さん  たくぼんさん  津久井康雄さん
  鳥本敦史さん  ぬさん  長谷繁蔵さん  ハマGさん
  蛇塚の坂本さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。