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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.343 山崎健さん 「アンフィスバエナIV」
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
龍×龍 110手台

くるくる展示室No.343 山崎健

山崎健さんのアンフィスバエナシリーズの最新作です。 アンフィスバエナとは伝説の双頭のドラゴン。 それにちなんで、アンフィスバエナシリーズでは2枚の龍の龍ノコがテーマになっています。

  • 「アンフィスバエナ」 おもちゃ箱 2010年4月
    (横龍ノコ+車井戸手順)×横龍ノコ
  • 「アンフィスバエナII」 詰パラ 2015年4月
    (縦龍ノコ+金鎖手順)×縦龍ノコ
  • アンフィスバエナIII 詰パラ 2016年2月
    2枚の同期した横龍ノコ×銀鎖手順
そして、本作品「アンフィスバエナIV」は

作者「今まで横×横、縦×縦と作ってきましたが、縦×横もできるかな、と作ってみたものです。 くるくるとしてはやや収束が長いかもしれません。」

ということで、縦龍ノコと横龍ノコの組み合わせです。

まずは横龍ノコから始まります。 龍ノコは軌跡が非限定になることが多いのですが、42、63、82には受方の駒が利いているので、それを避けると右図のような軌跡に決まります。 受方は歩しか持ってないので、合駒はできません。

詰方としては縦龍ノコのために玉を24に行かせたいので、受方は抵抗して33玉、22玉を繰り返します。 龍が83まで行くと、22玉では92龍から93龍で銀を取られてしまうので34玉と逃げざるをえず、43龍、24玉で原型のまま玉を22から24に移動させることに成功します。

横龍ノコ手順(22玉→24玉):
  52龍、33玉、53龍、22玉、
  62龍、33玉、73龍、22玉、
  72龍、33玉、83龍、34玉、43龍、24玉、

ここから16龍の縦龍ノコで19の成桂を取りに行きますが、27龍、13玉、17龍、22玉とまた潜られてしまうので、毎回横龍ノコ手順で玉を24に戻さなければなりません。 19成桂を取った後は収束に備えて龍を16に戻します。 この復路は28-17-27-16でも28-18-27-16でもよく、非限定です。 手順をまとめてみましょう。

  横龍ノコ手順27龍、13玉、17龍、22玉、
  横龍ノコ手順28龍、13玉、19龍、22玉、
  横龍ノコ手順28龍、13玉、17龍、22玉、
  横龍ノコ手順27龍、13玉、16龍、22玉、

ここまでの手順で、初形から19成桂が詰方の持駒になりました。 以下は、もう一度横龍ノコ手順で玉を24に呼んでから収束です。

  横龍ノコ手順、35金、同成銀、36桂、同成銀、23龍、同銀、
  25銀、33玉、36龍、22玉、31龍13玉、14銀、同銀、
  33龍、23銀、同龍、同玉、15(35)桂、12玉、23銀、13玉、
  14銀成、22玉、23桂成、31玉、32桂成 まで113手

活躍した2枚の龍を両方共消して収束。 最後の5手は非限定があるので、最終手は32桂成、32成桂、32成銀のいずれも正解です。

同玉は、32銀、同銀、64角、42金合(同馬は、32桂成、同玉、24桂以下)、32桂成、同玉、23銀、同玉、35桂以下。
12玉は、24桂、13玉(同銀は32龍以下)、22銀、同歩、11龍、12合、14歩、同銀、12龍まで。
11龍のとき、12桂合、同桂成以下117手の変別解がありましたが、作意手順も読んでいると推測できるので正解として扱いました。

横龍ノコ×縦龍ノコをシンプルに実現したおもしろい作品でした。 ただ、作者自認ですが、くるくるとしては収束が長く、ここがすっきりまとまっていれば解答者も増えたかもしれません。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
山下誠さん:
無駄合の代わりに3四玉と躱す延命策があった。 これで5サイクルの龍の往復を実現するとは面白い趣向。
占魚亭さん:
縦と横の竜鋸の連携プレー。 活躍した竜2枚を消す律儀な所も良いですね!
S.Kimuraさん:
玉をどう逃がしたらよいのか分からず,早々に柿木将棋に頼ることになりましたが,2枚の龍の動きを楽しむことができました.
小山邦明さん:
龍の動きの組み合わせが面白いが、手数はもう少し短かくても良い印象。
98手目を同玉とした時の変化を短手数で詰めるのに苦労しました。
池田俊哉さん:
縦と横の龍鋸を合わせた二枚龍鋸シリーズの新作。 盤面があと縦二列くらい伸びれば、と思ってしまう

くるくる展示室No.343 解答:5名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  小山邦明さん  占魚亭さん  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。