菅野哲郎さんは、展示室でもっとも投稿数、入選回数の多い作家。
かなり未発表の作品があるので、個展を開催させていただきました。
作者 「遠目に見れば実戦型?(笑)」 ということで、本作は実戦型?の趣向詰です。
初手は18龍といくところ。
しかし、39玉に48銀、49玉となると行き詰ってしまいます。
実は29の桂がジャマ駒で、なければ29龍と継続できそう。
そこで、
18龍、39玉、48龍、29玉、18龍、39玉、
と29桂を消去します。 難しい序を付けて、見て欲しい趣向手順に辿りつけない人が出てきては、くるくるとしては不適ですが、このぐらいの軽い序ならスパイスとしていいですね。
さて、趣向手順が始まります。
48銀、49玉、29龍、48玉、
59角、57玉、58歩、同玉、38龍、59玉、
29龍に58玉は、59龍、67玉、13角成まで。 69香はこの変化のための配置です。
59角に47玉は49龍があるので、57に逃げて、58歩、同玉と進みます。
ここまでくると、銀、角を消去しながらの龍ノコ追いだとわかります。
銀と角のペアはまだ用意されているので、続けて楽しみましょう。
68銀、69玉、49龍、68玉、
79角、77玉、78歩、同玉、58龍、79玉、
最後のサイクルは銀しかありませんが、88銀は玉のヒモ付きなので大丈夫。 このまま収束します。
88銀、89玉、69龍 まで29手
銀を消しながらの龍ノコ追いというと、頭に浮かぶのは黒川一郎さんの「蒼猿」。
黒川一郎研究45(将棋雑記)で紹介されています。
「蒼猿」は縦型の龍ノコ追い、本作は角銀を使うことで横型の龍ノコ追いを実現しました。
途中で歩のたたきが入っているので、ちょっとイメージは違いますね。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 高田明浩さん:
- 面白い手順で、楽しめました。
- 蛇塚の坂本さん:
- 銀と龍の追いかけ相互協力面白い。
- 山下誠さん:
- 角と銀をジグザグに捌きながら左辺へ追っていく、軽い趣向。
- 時たま解き卵さん:
- 初形だけでは趣向詰とは思わないところが良い。
- 大塚康平さん:
- 初めて20手超えの詰将棋を継ぎ盤を使わずに解けました笑
楽しかったです。
初解答ありがとうございます。
くるくるは暗算でも解けるのを目標レベルにしていますので、お気軽にどうぞ。
といっても、趣向詰の性格上手数の長い作品が多いので、継ぎ盤を使った方が解きやすいかもしれません。
- 市橋宗士さん:
- 右下端に桂香があるだけで、終盤の装い(はい、実戦型だと思います)。
竜を動かして詰めるしかなさそうだけど、自陣の桂を消去してからが趣向手順、桂は邪魔駒だった!
角銀の連携を、竜の軽やかな舞いと、適時の歩打ちで消去して、王玉接触寸前に射止めた。
盤に並べてやっと詰めることができた(?)。
6段目の歩と「と」の存在意義が完全にわかっていないが、まあ詰んだのでいいでしょう(か?)。
6段目の駒で塞がってないと、47や67から脱出されてしまいます。
76が歩でなくと金なのは3手目66角の余詰防ぎです。
- S.Kimuraさん:
- 桂馬が邪魔になっていることに気づくのに時間がかかりました.
- 長谷繁蔵さん:
- 途中間違って歩が余り再考
- 小山邦明さん:
- 入玉された時にこのような手順で詰ます事ができたら楽しいでしょうね。
- 占魚亭さん:
- 逆実戦型?の楽しいくるくる。一間竜は強し。
- ぬさん:
- 実戦らしい配置は右下の桂香のみのような……。
- ハマGさん:
- 持歩をどう使うのか見当がつかなかったが自然に解決
- 池田俊哉さん:
- 6枚だけ実戦初形(笑)。龍鋸と言えるかと思うが、単純に玉を追い詰める目的と言うのは珍しいかも
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