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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.340 菅野哲郎さん
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
飛捨てが決め手 30手台

くるくる展示室No.340 菅野哲郎

趣向詰で最も多いのが、1サイクルごとに玉がある方向にスライドしていく移動趣向です。 移動趣向では、玉と一緒に移動していく駒(グローバル駒、G駒)と、 複数枚用意されていて1サイクルごとに1枚ずつ使われていく駒(ローカル駒、L駒)にわけて考えると、趣向の構造が見えてきます。

趣向の始まる時点で、G駒は各1枚しか配置されていませんし、L駒はサイクル数分並んで配置されているか、持駒にサイクル数分の枚数あるので、識別は容易でしょう。 本作の場合、88歩、78玉、89馬、69玉から趣向が始まります。 89馬が詰方のG駒、68金が受方のG駒、そして9段目の歩と持駒の銀が詰方のL駒ということが推測されます。

単純な追い趣向は「G-玉」の繰り返しですが、本作のように受方にもG駒があるお供連れの趣向では、その駒を動かす手順が入ってきます。 動かす方法は捨駒が一般的(まれに移動合も)で、本作では持駒に銀が4枚ありますから、「L打-同G」のパターンになるでしょう。

では、実際の手順を見ていきましょう。

  88歩、78玉、89馬、69玉、

ここから「L打-同Ga-Gb-玉」の4手サイクルの趣向が始まります。 Ga、Gbのa、bは二枚のG駒を区別するためにつけただけで、特に意味はありません。

  58銀、同金79馬59玉

このサイクルで、L駒の銀と歩が1枚消費され、玉と2枚のG駒(馬と金)が1路右にスライドしました。 銀は4枚あるので、あと3回繰り返しを楽しみましょう。

  48銀、同金、69馬、49玉、
  38銀、同金、59馬、39玉、
  28銀、同金、49馬、29玉、

以下は収束です。

  28と、同玉、38金、18玉、19香、同玉、48馬、18玉、
  19飛、同玉、37馬、29(18)玉、28馬 まで33手

縁の下でがんばっていた飛を消してきれいに収束します。 48馬に99香成と飛を取ってしまうと2手短くなるのでご注意を。 実際31手の解もありましたが、趣向部分は鑑賞できているので正解扱いとしました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
馬と玉が横這いで追いかけっことは楽しい趣向。
占魚亭さん:
味のある銀捨て〜馬寄りのサイクル。
S.Kimuraさん:
最初と最後に戸惑いましたが,銀と馬で玉を1筋に追い詰めていくのが良いですね.
蛇塚の坂本さん:
銀馬飛の見事な連係が気持ち良い。
長谷繁蔵さん:
収束良し。
小山邦明さん:
指す選択肢が少なくても楽しめるのがくるくる作品の良い所ですね。
ハマGさん:
横バイが面白い
ぬさん:
7段目から逃げられそうだけど意外となんとかなっていました。
Pathfinderさん:
金とともに歩む玉。99にいた飛車が19に動いての収束も爽快です。
池田俊哉さん:
守備金をそらしながらの横移動。99飛が消えたのはうまいまとめ

くるくる展示室No.340 解答:12名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん  小山邦明さん  攻めダルマンさん
  占魚亭さん  ぬさん  Pathfinderさん  長谷繁蔵さん  ハマGさん
  蛇塚の坂本さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、、展示室で発表します。