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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.327 菅野哲郎さん 「銀河」
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
桂を取って全部捨てる 50手台

くるくる展示室No.327 菅野哲郎

配置から斜めに移動する趣向と想像できますが、初形からすぐには趣向にはいることはできません。 53の成銀を取れれば趣向にはいれそうなので、まずは71飛。 42玉ならすぐに53香成とできるので、合駒で抵抗します。 といっても、並べてみると、受方の持駒は飛と銀が1枚ずつあるだけです。 飛合は取って簡単なので銀合ですが、それでも同飛成、同玉、71金寄、51玉に、62銀と捨てて72金寄、61金寄と迫れば42玉と逃げるしかなく、53香成が実現します。 62同玉のときすぐに53香成とすると、金の位置が悪く詰まなくなるので要注意。

  71飛、61銀合、同飛成、同玉、71金寄、51玉、62銀、同玉、
  72金寄、51玉、61金寄、42玉、53香成、同玉、

さて、ここから成桂を剥しながらの銀の斜め追いが始まります。

  54銀、64玉、
  65歩、同成桂、同銀、75玉、
  76歩、同成桂、同銀、86玉、
  87銀、97玉、
  98銀、86玉、

途中で戻るのは、歩を叩いていって21玉に13桂まで。
最後まで行くと、この手順では歩が足りなくなって詰みません。 この1歩不足をどう解消するか。
その鍵は39の香にありました。 34とか35金がいなければ香を走って持駒を補充できそう。 じゃあ45桂と捨てればいいかというと、同と引と取られて失敗。 先に46とを動かすために56桂と捨てると、これも同と引でダメ。 と考えていくと、結局68のと金から順番に動かさないといけないことがわかります。

  78桂、同と、87歩、75玉、 (68とを動かす)
  67桂、同と、76歩、64玉、 (57とを動かす)
  56桂、同と、65歩、53玉、 (46とを動かす)
  45桂、同金、54歩、42玉、 (35金を動かす)

これで目出度く34香で1歩入手することができるようになりました。

  43歩、31玉、34香、同と、

以下は収束ですが、詰め上げてアッとびっくり。

  32歩、21玉、11角成、同玉、13香、21玉、12香成 まで55手

斜めにきらめく星たち、きれいな天の川が出現しました。

作者 「タイトルはやや平凡ですが、最初の銀合、銀によるはがし手順、それから詰上り、ということで、これが一番適当だと考えました。」

銀による桂のハガシ追いから、1歩不足解消のために4枚桂を捨てる巧妙な趣向、くるくるとしてもおもしろい作品ですが、最後に忽然と出現する天の川(銀河)。 芸術の秋特集のトリを飾るのにふさわしい作品でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
桂馬を打ってと金を寄らせる、簡素な機構で歩を並べるのはうまい。 最後は2枚の馬も消えて、秋の夜空に銀河がきらめきました。
江市滋さん:
桂馬で歩の代用を図ろうとする復路がメインで、本来はムダにしかならないハズの桂捨てを4回繰り返すことで1歩の入手が可能になる、という深謀が面白い。 往路の不規則性が気になる――と思っていたら、詰め上がりを見てびっくり。 確かにこれなら、歩打の省略を補って余りあるわな。
S.Kimuraさん:
はじめはどうして桂馬を捨てるのかわからなかったのですが,39にいる香車が働き出してようやく理解できました. 詰め上がりが「銀河」という題名に相応しく,美しいですね.
小山邦明さん:
大きな銀河が見事に完成。
小峰耕希さん:
細かい変化は全然読んでないけれど、多分こんな感じかなあと(^^;)
長谷繁蔵さん:
1か8かで飛を打ったら作意だった。
あと1歩欲しかったなあ
もう一枚の飛が泣いている。11飛はいかがか。

11飛では13桂が打てないので詰まなくなります。

占魚亭さん:
角の威光を活かす攻め。 美しい詰上りも良いです。
波多野賢太郎さん:
6一金寄としたところで、期待がふくらみました。 そして、期待通りの美しい詰上がりを見て嬉しくなりました。 まさに「銀河」ですね。 また、桂の打捨てや持駒の歩の枚数がぴったりでうまくできてるなあと思いました。
ぬさん:
銀河通信もありますし、なぜ市松が銀河なのでしょう?

斜めの市松が天の川のイメージですね。

Pathfinderさん:
手順趣向かと思いきや…詰上げて驚愕の光景!
金少桂さん:
4桂捨てで玉方の駒を順番にどけて収束一歩不足を解消。
趣向手順も面白いが、詰め上がり盤面に銀河が現れてびっくり。
たくぼんさん:
変化を読まなくても正解できるほどの美しい調べ。 趣向作の極致でしょう。
隅の老人Bさん:
幾つもの峰を越えて登った山頂、その展望は素晴らしい。
ア−ト展でも展示出来ますね。
池田俊哉さん:
シンプルな斜め追い二往復と思いきや、詰め上がりを見てさらにびっくり
くるくるアートとは完成度高いですね
ハマGさん:
変化が読み切れてませんがヒントに合うような手順になりましたので解答します。

くるくる展示室No.327 解答:16名 全員正解

  池田俊哉さん  江市滋さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん  金少桂さん
  小峰耕希さん  小山邦明さん  隅の老人Bさん  占魚亭さん  たくぼんさん
  ぬさん  Pathfinderさん  長谷繁蔵さん  波多野賢太郎さん  ハマGさん
  山下誠さん  

当選者は、展示室で発表しています。