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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.305 利波偉さん
くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
とどめは飛成 20手台

くるくる展示室No.305 利波偉

くるくるにふさわしい、シンプルな初形。 形からすると3枚の銀をはがす趣向かな、と思ったら、はたしてその通りでした。 さて、どうやってはがすのでしょう。

初手は39銀しかなさそうで、29玉も必然。 しかし次に48銀では38玉と戻られて千日手でダメ。 ここで28銀の空き王手が、同玉と取れないのを見越した妙手です(同玉は19飛成、38玉、39龍)。 28銀、38玉となれば、27銀とまずは1枚はがすことができます。

  39銀、29玉、28銀、38玉、27銀、同銀成、

27銀を同玉なら、18銀から29銀と引いて18飛成まで。 なので同銀と取りますが、ここはどちらの銀で取ってもよく、成、不成も非限定です。

同じ形になったので、また39銀と打って27の成銀をはがしに行きます。

  39銀、29玉、28銀、38玉、27銀、同銀成、
  39銀、29玉、28銀、38玉、27銀、同玉、

銀がなくなって、同玉と取るしかなくなり、さっきの順で収束します。

  18銀、38玉、29銀、48玉、18飛成 まで23手

銀はがしは手段草や妙案で初めて作られた趣向で、その後複雑化した銀はがしもいろいろ作られています。 本作は元祖作品と同様6手の短手数サイクルですが、空き王手を取り入れたところがちょっと新鮮ですね。 実は本作、趣向詰の大家、黒川一郎さんの作品のくるくる化でした。

作者 「黒川氏の浪漫集51番「越後獅子」(黒川一郎研究106)の銀鋸部分を取り出したような作品です。攻方のと金が、どこかに角を配置して代用すれば、飛角図式+銀の趣向にもなったのですが、巧く行きませんでした。」

角を残しておかないと、19手目18銀のところで36銀以下の余詰。 本図では28角合の逆王手で逃れます。

「越後獅子」(発表時は「狂獅子」)は銀ノコから銀はがし、更に99に打った桂の四段跳ねと欲張った長編で、解くのはちょっと大変。 銀はがし部分の楽しさは本作でも十分伝わってきますね。

くるくるおもちゃ箱は、いろいろな趣向をやさしく紹介するコーナーなので、本作のように、ちょっと解きにくい過去の作品から趣向部分をやさしく作品化するのもOKです。 その場合は、投稿時にどの作品からのくるくる化か書いてください。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
素朴な銀はがしの趣向。並べて楽しめます。
波多野賢太郎さん:
双玉で、一見難しそうでしたが、2八銀から2七銀に気づいてなるほどと思いました。銀が3枚ともしっかり捌けるのでスッキリしました。
長谷繁蔵さん:
面白い面白い
蛇塚の坂本さん:
銀の軽やかな動き玉方銀を消しての1八飛成がスッキリ。
占魚亭さん:
気持ちのいい銀剥がし。好みの作品です。
原田雄二さん:
3手目28銀がとれないとは面白い。
鈴木彊さん:
双玉図。銀で敵の銀を取っての攻め。千日手のような攻めだったが見事に決まる。
ぬさん:
ちゃんと読んでないので分かりませんが、はがし手順は限定されているのでしょうか?
はがし趣向ははがす順番は非限定(変同)のことが多いですね。 非限定に見えて実は限定で、間違えたら不正解というのは、くるくるには似合わない感じがします。
S.Kimuraさん:
銀をはがすまでの手順が難しかったです.
攻めダルマンさん:
シンプルな剥がし趣向ですね。
隅の老人Bさん:
銀を使って、3銀剥がし。春近し、風に舞う桜花の風情を感じます。
ハマGさん:
攻方玉の通せんぼが強力
池田俊哉さん:
銀剥がしであろうと思ったが、27同玉の変化(結果的に収束だが)が見えず少し悩む。39に打った銀が二段階動いて消えるのが良い
小山邦明さん:
6手目の玉方の手は限定されていないように思いますが銀をはがすしくみと手順はとても面白いと思いました。
嵐田保夫さん:
実戦に出てきそうな形でまずお目にかかれない面白い寄せ且つ詰み筋。

くるくる展示室No.305 解答:16名 全員正解

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん  小山邦明さん
  鈴木彊さん  隅の老人Bさん  攻めダルマンさん  占魚亭さん  ぬさん
  長谷繁蔵さん  波多野賢太郎さん  ハマGさん  原田雄二さん
  蛇塚の坂本さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。