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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.298 須藤大輔さん
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
受方は持駒なし 60手台

くるくる展示室No.298 須藤大輔

この形、龍で王手すればなんとかなりそうです。 そこで、76と左、87玉、86と、同玉(77玉は97龍)、76と、87玉、88歩、76玉、96龍という流れが考えられます。 この形になれば、6段目でと金を捨てながら龍で右に送る趣向ができますし、玉が7段目に逃げれば歩を打てばいいわけです。

ところが、実際に進めてみると、36玉のとき56龍、46歩合、26と、37玉で打歩詰!

そう、27歩がヒモを付けているので26とが取れないのです。 つまり、27歩はジャマ駒で、最初にこれを消去すると金ずらしの軽趣向が入ります。

  76と右、67玉、66と右、57玉、56と右、47玉、46と右、37玉、36と右、27玉
  26と左、37玉、36と左、47玉、46と左、57玉、56と左、67玉、66と左、77玉、

1往復のと金ずらしにより、原型のまま27歩を消去することができました。 ずっと先の打歩詰を回避するために伏線として趣向手順を行うなんて、図巧1番みたいでカッコいいですね。 27歩が消えたところで、最初に想定した通り進めましょう。

  76と左、87玉、86と、同玉、

これで76と以下龍で送る準備ができました。 メインの趣向のスタートです。

  76と、87玉、88歩、76玉、96龍、86歩合、

これで1サイクル。 76とに同玉でも同じように96龍とできるので、手数稼ぎと歩を使わせるためにいったん87玉と逃げます。 続けて龍で送りましょう。

  66と、77玉、78歩、66玉、86龍、76歩合、
  56と、67玉、68歩、56玉、76龍、66歩合、
  46と、57玉、58歩、46玉、66龍、56歩合、
  36と、47玉、48歩、36玉、56龍、46歩合、
  26と、37玉、38歩、26玉、46龍、36歩合、

ここからは収束、7手詰です。 後手の持駒は歩しかないことに注意。

  35龍、17玉、38歩、27玉、25龍、26歩合、16龍 まで67手

作者 「「と歩龍」による送り趣向です。 最初に27歩を消しておかないと、後の38歩が打歩詰になります。 本作も1999年頃の素材。」

なんと15年ごしの完成。 受方持駒指定ということで、くるくる展示室での発表になりましたが、もともとは作者、須藤大輔さんが管理人を務める 詰将棋パラダイスTOYBOX向けに作っていた作品です。

作者 「昔は「15年前の素材をやっと完成させた」という文章を見てもピンときませんでしたが、 そういうのが少しは理解できるくらいの詰棋歴になったようです(^^; 」

須藤さんからは、15年前の素材を完成させた作品をもう1作いただいていますので、お楽しみに。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
歩を打って、龍を1間ずつ寄せていくリズムがとてもよい。
金少桂さん:
27歩配置があまりに胡散臭いので伏線の27歩消去はなんとなくやってしまえるけど、面白い導入。
後から確認したら、なんと打歩詰!
本題のと金の捨て送りに歩のたたきが加わって複雑化、これで持駒の収支が釣り合ってるのがうまいと思った。
小山邦明さん:
最初は27歩を消さずに76と左から始めて、打歩詰の形にしてしまった。
長谷繁蔵さん:
27歩はジャマ駒でした。
ぬさん:
歩の原型消去の伏線がいいですね。
S.Kimuraさん:
くるくるになる手順が見えず,苦戦しました.
池田俊哉さん:
27歩を先に消すのかな、と思いながらも一度は騙されてみる(笑)。
玉鋸的な動きが楽しい
やまかんさん:
86とから打開するのが見えにくかった。
やぶいりさん:
難問でした。27歩が邪魔だとやっと気づきました。
24手目(86同玉/77玉)〜34手目は手順前後非限定でしょうか?

24手目77玉では、97龍、87歩合、76と左までなので、限定されています。

占魚亭さん:
八段目に歩を打てるようにする為、七段目の歩を玉に取らせるわけですね。

くるくる展示室No.298 解答:11名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん  金少桂さん  小山邦明さん
  占魚亭さん  ぬさん  長谷繁蔵さん  やぶいりさん  やまかんさん
  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。