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くるくる展示室 No.296 菅野哲郎さん 「湯豆腐」
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
題名の意味は? 40手台

くるくる展示室No.296 菅野哲郎「湯豆腐」

移動趣向で登場する駒は、グローバル駒とローカル駒に分けることができます。 複数のサイクルにまたがって同一の駒が使われるとき、 この駒をグローバル駒(G駒)と呼び、 また、各サイクルごとに別の(同種の)駒が使われるとき、 この駒をローカル駒(L駒)と呼びます。

本作の初形を見ると、(玉を除いて)G駒になりそうな駒は見当たらず、すべてL駒で構成された趣向詰と見当が付きます。 また、配置から、1サイクルで左にふた筋ずれる趣向とわかります。

初手は14とか16香しかなさそう。すぐに14とでは25から16に逃げられるので、先に16香と穴ふさぎします。 これに対し同と引が正解で、同と寄では先に進んで76香のとき取る駒がなくなります。

  16香、同と引、14と、25玉、24と引、35玉、

これで玉はふた筋移動しましたが、次に36に打つ香がありません。 しかし34金とすれば、32の香が取れるので、これで次のサイクルに進めそうです。

  34金、同香、同と右、25玉、24と左、35玉、

これで1サイクルの手順がわかったので、続けて楽しみましょう。

  36香、同と左、34と左、45玉、44と引、55玉、
  54金、同香、同と右、45玉、44と左、55玉、
  56香、同と左、54と左、65玉、64と引、75玉、
  74金、同香、同と右、65玉、64と左、75玉、
  76香、同と、74と左、85玉、84と引 まで41手

詰上りは何と美しい歩一色詰。 豆腐詰と言った方がいいのでしょうか。 歩は18枚もあるので、歩一色詰の作例は少なく、その中で菅野さんは「卯の花」(詰パラ2012年5月)、「かすがい」(くるくる展示室No.268)、そして本作と3作も作っています。 題名の「湯豆腐」は、詰上り豆腐になることを暗示していたのですね。

本当は95とを詰方93とにして、最後95玉、94と引で詰め上がれば最高なんですが、そううまい話はなくて、39手目74と左のところで65と以下の余詰が発生します。

L駒主体の趣向詰は、きれいな配置になることが多いのですが、本作はそれに加えて詰上りの豆腐詰と、アート展示室にも出せそうな仕上がり。 こういった作品を集めて、「くるくるアート作品集」とか作ったら楽しそうですね。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
詰上がりは、豆腐(と・歩)が煮詰まった感じでしょうか?
金少桂さん:
親切なタイトルのおかげでだいぶ助かった。予想通り金銀香が消えて詰めあがり豆腐図式。
変化紛れは読み飛ばしました。香の離し打ちはたぶん七段目に桂合で逃れかな。

はい、その通りです。 1サイクル目が16香なので、2サイクル目以降も離し香は考えなくてよさそう。

蛇塚の坂本さん:
全て歩ととだけに成るので気持ち良かったです。
小山邦明さん:
うまい送りの手順。初形も収束形も美しい。
長谷繁蔵さん:
詰上りトーフ18枚全員集合良し。
ぬさん:
タイトルと初形から狙いは予測可能。「湯」はどこから?
S.Kimuraさん:
豆腐は分かるのですが,お湯は,7段目の歩で沸かしている?
池田俊哉さん:
二手目どっちの「と」で取るか、最後にわかるのが良い。 詰め上がり歩(と)18枚はこれで5作目?「豆腐」はわかるが湯はどこから来たのか...
藤田卓志さん:
とと歩で豆腐。湯は?
やまかんさん:
間違うとすぐ逃げられるのでわかりやすい。
やぶいりさん:
詰め上がり「豆腐」はわかるが「湯」がわからず
占魚亭さん:
予想通りの詰上り豆腐図式。
Pathfinderさん:
詰上がりが豆腐図式。「詰上がった=茹で上がった」ということでしょうか?

みなさん、お湯へのツッコミが厳しいですね(^^;  たぶんこれが作意でしょう。


くるくる展示室No.296 解答:14名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん  金少桂さん  小山邦明さん
  占魚亭さん  ぬさん  Pathfinderさん  長谷繁蔵さん  藤田卓志さん
  蛇塚の坂本さん  やぶいりさん  やまかんさん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。