駒がぎっしり詰まってちょっとびっくり。 良く見ると双方の駒が斜めの壁を作っていて、その間の空間が舞台になるのだろうなと推測できます。
まずは、金引きの趣向からスタートします。
23金、35玉、34金引、46玉、45金引、57玉、56金、67玉、
56金はヒモがついてないのですぐに同玉と取れますが、いったん67玉と逃げて、68歩、56玉が正解。 歩を使わせておかないと右上に戻ったとき早く詰んでしまいます。
ここからは一転して飛ノコによる送り趣向が始まります。
68歩、56玉、77飛、66玉、67飛、56玉、
合駒が気になる手順。 でも、後手は金しか持ってないので大丈夫です。 どんどん行きましょう。
57歩、45玉、66飛、55玉、56飛、45玉、 46歩、34玉、55飛、44玉、45飛、34玉、 35歩、23玉、44飛、33玉、34飛、22玉、
ここまでが白拍子(飛)の華麗な舞。 「白拍子は舞を舞い歌を歌い、隙をみて梵鐘の中に飛び込む。すると鐘は音を立てて落ち、祈祷によって持ち上がった鐘の中から現れたのは白拍子が蛇体に変化した姿であった。」(Wikipedia 「道成寺」(能)より)。
23歩、同玉、24歩、同龍、同飛、同玉、23飛、35玉、
ここからは蛇(龍)に変身した白拍子の暴れるさまをごらんください。
33飛成、46玉、44龍、57玉、55龍、68玉、66龍、79玉、 69龍、88玉、77龍、97玉、98龍、86玉、87歩、77玉、 78龍、66玉、67龍、55玉、56龍、44玉、45龍、33玉、 34龍、22玉、23龍 まで67手
作者 「最初はおとなしい感じの飛ですが、蛇(竜)に化けてからは狂ったように玉を追い回す・・・という一局。」
金引き送り、飛ノコ送り、龍追いと多彩な趣向が楽しめる作品でした。 特に歩打を含めた飛ノコ送りのオリジナルな趣向がおもしろく、ここが本作創作の原点ではないかと思います。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 山下誠さん:
- 毎回バラエティのある追い方で、2往復の楽しい旅行。
- 占魚亭さん:
- 飛車(竜)の動きがとても楽しい。さすが菅野作品。
- 小山邦明さん:
- 飛の往復手順がリズミカルに繰り返されていてとても良い。
- Pathfinderさん:
- 毎回変わる手順に驚愕。飛車歩送りの手順が斬新で印象に残りました。
解いて楽しい素晴らしい作品でした。
- ぬさん:
- 手順をみても題意がピンときません。実際の能楽を見た方がいいですか?
私も能は鑑賞したことがなくて、作者のことばとWikipediaの解説をみてやっとわかりました。
- やまかんさん:
- 序盤、中盤、終盤、隙がない出来ですね。
- S.Kimuraさん:
- 飛車でもう1往復するとは思いませんでした.
- 隅の老人Bさん:
- 鐘に巻き付く大蛇?ですか。老人はエスカレタ−ですね。
階段の飛からエスカレータの龍に。
- 池田俊哉さん:
- 大きく斜めに二往復、特に飛角で空王手しながら追うところが新味たっぷり
命名は良くわからないが、生飛が白拍子で龍に化けて追い回すということか
- はやしさん:
- 楽しめました。
- やぶいりさん:
- 題意は理解できないが、金ノコ、飛ノコ、龍の瀧昇り降りと見所豊富。
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