次へ
次へ
詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.289 ぬさん
くるくるおもちゃ箱
くるくるおもちゃ箱

棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
21の金を守るには 20手台

くるくる展示室No.289 ぬ

初手は角を打つ一手。 角を取られずに打てる場所は、と探してみると、一番遠い79しかないことがわかります。 79角に22玉は21飛成まで。 68歩合とか合駒しても同角、同桂成、14歩、22玉、21飛成まで。 24香合も同角、同歩、14香以下、いずれにしても21の金を取って簡単です。

さて、21の金を守るには、と、盤面を良く見ると、遠く87の角が4枚の桂がなければ21まで利いているではありませんか。 ということは・・・

そう、79角に対して、桂を4枚とも移動合で捨てればよいのです。

  79角、68桂成、同角、57桂成、同角、46桂、同角、35桂

これで89角の利きが21まで通りました。 しかし、35同角に22玉と逃げては、34桂、32玉、21飛成、43玉、53金、同香、同角成まで。 35角に24香合と抵抗して、角を消す必要があります。

  同角、24香合、同角、同歩、14香、22玉、34桂、32玉、

角がなくては、21飛成は43玉と逃げだされて失敗。 ここで31銀成と捨てるのが、4筋脱出を防ぐ好手です。

  31銀成、同金、44桂、33玉、45桂、23玉、35桂 まで23手
                 (23玉、35桂、33玉、45桂 まで23手)

作者 「角を21まで利かせ、23の地点を開ける4桂連続移動中合です。」

角筋を通す四桂連続移動中合。 くるくるとしてはちょっと高度な趣向ですが、わかりやすい表現でみなさんお楽しみいただけたようです。 取った4枚の桂を固めて打っての詰め上りもいい感じです。

データベースで調べて見たら、四桂連続移動合はかなり少なく、次の3作だけでした。

  • 昼間勉 近代将棋1970年2月 45手 馬に対する四桂移動連合(角の利きを通す)
  • 杉山正「舞剣」 近代将棋1985年4月 65手 香に対する四桂移動連合(退路開け)
  • 七條兼三 詰パラ1986年1月 39手 龍に対する四桂移動連合(桂不成で龍の九段目への移動防止)

角に対する四桂連続移動合は本作が初めて。 20手台も本作が初めてで、難しい趣向をくるくる向きにシンプルにまとめた作者の手腕は流石ですね。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
4連続桂馬の移動合から4桂詰のフィニッシュまで、二重に楽しめる。
占魚亭さん:
気持ちのいい四連桂移動合。初形では斜一線だった桂が詰上りではブロックに。
小山邦明さん:
角筋を通す懸命の桂捨ても、最後はその桂を全部固めて使われて残念。
Pathfinderさん:
82龍が上手く働いていますね。

21飛成、同角、33金までと思いきや逆王手が。

蛇塚の坂本さん:
すぐに2二玉ではなく2四香と抵抗するところがミソ最後に4桂の宣告が見事。
やまかんさん:
見たことはある筋だが、なるほどなです。うまいこと4枚の桂馬を使えました。
S.Kimuraさん:
桂馬が4枚連続して跳ねて中合いしてくることに驚きました.
隅の老人Bさん:
「成る程なぁ」の桂の4連捨合。
詰上げて、これも「死刑の宣告」?
池田俊哉さん:
21金を取られないよう、角筋を通す四連桂移動合。
四桂の詰めあがりも良いが、大駒一枚消えても、とも思う
はやしさん:
19手かと思った。最終4手は非限定ですか?

変化同手数なので、どちらでも正解です。

やぶいりさん:
軽快な受け手に比べて攻め手がちょっと凡手のような感じ。

くるくる展示室No.289 解答:12名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん  小山邦明さん  隅の老人Bさん
  占魚亭さん  Pathfinderさん  はやしさん  蛇塚の坂本さん  やぶいりさん
  やまかんさん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。