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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.276 須藤大輔さん
くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
最後馬も角も消える 40手台

くるくる展示室No.276 須藤大輔

詰将棋パラダイスWebサイトの管理人、須藤大輔さん、くるくる展示室初登場。 詰将棋パラダイスにはTOYBOXというくるくるおもちゃ箱の姉妹コーナーがあり、須藤さんのくるくる作品はそこでも見ることができます。

さて、本作も一見して斜め送りの配置で、期待を裏切らず斜めの馬追いから始まります。

  78馬、57玉、67馬、46玉、56馬、35玉、45馬、24玉、

調子にのって34馬と追撃すると、13玉で失敗。 ここで25歩と叩くのが守備の銀を移動させる好手です。 25歩に13玉なら35馬までですし、同玉なら34馬、36玉、37歩、46玉、47歩、57玉、67馬まで。 銀の23への守りがはずれれば、23馬と下から攻めて折り返し。 復路の趣向が始まります。

  25歩、同銀、23馬、35玉、

34馬とするには、また銀が邪魔で、今度も36歩と叩きます。 どうやら銀のお供連れの斜め送り趣向のようです。 続けて楽しみましょう。

  36歩、同銀、34馬、46玉、
  47歩、同銀不成、45馬、57玉、
  58歩、同銀不成、56馬、68玉、
  69歩、同銀不成、67馬、79玉、

ここからは収束。

  67馬、79玉、98角、88玉、89馬、97玉、79馬、88金合、

金合以外は、89角、87玉、69馬まで。

  同馬、同玉、79金、97玉、87角、同玉、89飛、96玉、
  97歩、同玉、88金、96玉、99飛 まで47手

作者「行きはひとり旅、帰りは銀を道連れに。彩棋会課題「持駒歩複数枚」について、会合当日に創作開始。数日後に完成した作品です。生銀を端から端まで動かせたことは満足なのですが、どうにも前例がありそうに見えるのが難点です。味良い収束だと思っていますが、ちょっと格好つけすぎていて、くるくる級としてはマイナスかもしれません。」

論理構造は L打−同G−G−玉 型で、お供連れの送り趣向(夏木立型という呼び方も)としては一般的な構造。 この型の作品はたくさん作られているので何となく既視感がありますが、物理構造が違えば別な趣向です。 本作の **歩打、同銀、**馬、**玉 のシンプルな斜め送りは、データベースでは前例は見つかりませんでした(黒川一郎さんの「蜃気楼」将棋雑記)など、さらに複雑化した趣向はあり)。

前半の歩を取りながらの馬追いと、後半の歩を打ちながらの馬送りの対応もしっくりしていて、楽しめる趣向作品になっていると思います。

収束は作者の言う通りくるくるとしては長すぎて、修正をお願いするかちょっと悩みましたが、今回は出題コメントでフォローする形でそのまま出題させていただきました。 収束が難しいとそこで解けなくなってしまうこともあるし、解けても趣向の印象が薄くなってしまったりするので、なるべくシンプルにすることをおすすめします。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
7八馬まではスンナリ行きましたが収束には時間がかかりました。
ぬさん:
銀が不成限定なのが好感。
くるくるなので収束はもう少し易しい方がいいと思います。
永安克志さん:
29手目から悩みました。
あれだけ大駒に囲まれているのに、あの手順しか詰まないのか…
小山邦明さん:
歩のアシストで馬や銀が面白く動き、さらに金の限定合で、馬と角が消え11飛の対称の99飛での収束は見事。
やぶいりさん:
斜めに往復した後、急にややこしくなる。
長谷繁蔵さん:
32が金でないと思ったら・・・。
次作も期待。収束も優しく。
山下誠さん:
銀を道連れに馬の帰路が面白い。収束はちょっと停滞。
S.Kimuraさん:
斜めに往復するところまでは良かったのですが,収束が難しかったです.
占魚亭さん:
銀を連れてくる復路がいいですね。
隅の老人Bさん:
階段の上り下りは「くるくる」だが、収束は金合も入って難しい。
名無し名人さん:
守備銀を動かしながらの馬追い。収束のまとめ方は巧いですが、くるくるにしては難しい。
池田俊哉さん:
馬のエスカレータの序盤から馬-歩による追い戻し。
追い戻し手順は玉図100番の裏返しっぽい。
くるくるにしてはしっかりした収束が付いているが、角二枚を消したくなる気持ちはよくわかる(笑)。

くるくる展示室No.276 解答:13名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん  小山邦明さん  隅の老人Bさん
  占魚亭さん  永安克志さん  名無し名人さん  ぬさん  長谷繁蔵さん
  蛇塚の坂本さん  やぶいりさん  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。