本作は、形からすると横送り趣向。三段目がと金と金が交互に配置されているのが気になりますが、全部と金にするには歩の枚数が足りないので、きっとそのためでしょう。
初手は３５歩の一手で、取ると２５龍から４５香ですから４４玉とかわします。 次も４５香、同と、同歩と行くしかなさそう。 同玉、４６飛、５４玉（３５玉は２６龍から３６飛）となれば、５５歩以下趣向のサイクルに入れそうで、これが作意っぽいですね。
３５歩、４４玉、
４５香、同と、同歩、同玉、４６飛、５４玉、
５５歩、同と、同銀、同玉、５６飛、６４玉、
４５同歩のとき５４玉とすぐに逃げたらどうなるでしょうか。
５５歩、同と、同銀、同玉、５６飛、６４玉 となれば、先ほどの順で４６飛が省略されるので、２手短くなります。
５５歩、同と、同銀、４５玉、４６飛、５５玉、５６飛、６４玉 なら同手数。
結論としては変化同手数で、どちらでもよさそうなので素直に取ることにしましょう。
銀は４枚用意されているので、あと３回この手順を楽しめます。
６５歩、同と、同銀、同玉、６６飛、７４玉、
７５歩、同と、同銀、同玉、７６飛、８４玉、
８５歩、同と、同銀、同玉、８６飛、９５玉、
９６飛、８４玉と折り返して、今度は歩打ちで右に送ります。
９６飛、８４玉、
８５歩、７４玉、７５歩、６４玉、６５歩、５４玉、５５歩、４４玉、
４５歩、３５玉、
ここであわてて３６飛とした人はいませんか。自分の玉が先に取られますよ。
ここからは龍追いで再び右に追います。
２６龍、４５玉、３６龍、５５玉、４６龍、６５玉、５６龍、７５玉、
６６龍、８５玉、７６龍、８４玉、
最後は飛車を切って、９３の香を入手して収束します。
９３飛成、同と、８５歩、９４玉、９５歩、同玉、９６香 まで６３手
３種類の趣向で１往復半。
「Ｌａ打−同Ｌ−同Ｌｂ−同玉−Ｇ−玉」
「Ｌ打−玉」
「Ｇ−玉」
と３パターンの趣向が味わえる楽しい作品でした。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 山下誠さん：
- 最終盤に来て双玉の意味が分る。適度に考えどころがあって楽しめます。
- 小山邦明さん：
- 詰方の駒がきれいに捌けて気持ち良い。
- 嵐田保夫さん：
- 二枚飛車に追われる夢を見た！？
- ぬさん：
- 序盤で歩の取り方に迷いました。
本作だと １サイクル目だけちょっとイメージが違うので、４６歩を５６金、持駒を歩６とした方がよかったかも。
- 長谷繁蔵さん：
- もう一度戻ったあー。変化も有り大苦戦。
- S.Kimuraさん：
- 横に打ち付けていった歩が消えていくのは気分が良いですね．
この部分は、墨江酔人さんに歩打〜龍追いをなんと２回繰り返す作品（近代将棋１９７８年１０月）があります。
- 占魚亭さん：
- 双玉らしさがあり、5作の中で1番好きです。
- 名無し名人さん：
- と金はがしから歩連打。更にその歩が消えて1.5往復。5作の中で一番好きです。
- 隅の老人Ｂさん：
- 一往復で終わると思ったら、もう半分がありました。
並んだ歩も飛も消えた、解けて気分は爽快、うまい、うまい。
- 池田俊哉さん：
- 戻れる余地を残しながら左に逃げるのがポイント。
98王がピンされているとは言え、一往復半は楽しい
- 秀和歌さん：
- 常に逃げ方が複数通りあるのでややこしい。一目で作意に短絡すると分かればいいのですが。まあまだ初心者なもので。
- やぶいりさん：
- 耕し、種まき、収穫。
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