とてもシンプルな形で、長手数になるよう逃げれば自然に趣向手順に入って詰むということで、最初の問題として出題したのですが、意外に難しかったようで、無解も多く、短手数で詰めた解答もちらほら。
パズル展示室で出題すべきだったかもしれません。 お詫びの意も込めて、短手数解も正解として扱いました。
初手、空王手もできる形。 しかし王を中央からずらすと、反対側を抑える駒がなくなって失敗。 例えば、48王なら54香合、同飛、同玉、59香、65玉で捕まりません。
したがって初手は香打。 ヒモがついてないと44玉とか逃げられてダメなので、57香打です。
57香に対して逃げる手は、例えば42玉なら、49飛、43香合、同飛、同玉、45香、44飛合、同香、同玉のように吊り上げて47飛まで19手。 かといって、57香に54香合、同香、同玉と5筋から外れないと、57香、55香合、同香、同玉、57香、56香合、同香、同玉、57香、45玉、49飛以下でこれも19手。
正解は57香に54香合、同香のとき43玉(63玉)または44玉(64玉)とかわす手。 これで49飛(69飛)、54玉となって、すぐ取るのと比べて2手長くなります。
以下も同じように左右によろけて、合計6手長くなって25手が最長でした。
57香、54香合、同香、43玉、49飛、54玉、
57香、55香合、同香、64玉、69飛、55玉、
57香、56香合、同香、45玉、49飛、56玉、 57香、65玉、69飛、66香合、同飛、同玉、67香 まで25手
作者 「なるべく簡単な配置で左右対称でまとめてみました。詰め上がり香一色になるのも狙いです。」
双方の持駒を含めても使用駒わずか7枚のくるくる簡素図式。
詰め上がりは、あっと驚く生香4枚の四香詰。 なるほど、双玉にすれば可能なんですね。
TETSUも昔ふた筋で香打香合をする作品を作ったことがあります(「おもちゃ箱」 TETSU No.10)が、中央でこの駒数でできるとは脱帽です。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- ronさん:
- 「縁の下の力持ち」として働く飛車が面白い。
- 小山邦明さん:
- きれいな対称形ですが、最長手順探しに苦労しました。
- ぬさん:
- 玉方の最善の手順を見つけるのに苦労しました。
- 時風瑞季さん:
- 飛車と香車だけで独自の世界を見せてくれます。
- 山下誠さん:
- 繰り返しの中で銀の移動合いが感触よかった。
- 嵐田保夫さん:
- ヒントが無いと19手詰としそう。
- S.Kimuraさん:
- 玉は1段目から始めたかったところですが,香に成られるとダメなのですね.
そうですね。 52玉のとき57香53香合に同香成と同香不成で手数が変わるので、どちらを作意にしても余詰。
- 池田俊哉さん:
- 単純な香打香合に終わらず、よれる玉に対して下段で動く飛がユーモラス。
双玉ではあるが、四香詰と言えるのかな
- 隅の老人Bさん:
- これは難解。取るか逃げるか、最長手順は?
飛が消えての4香詰、手順も良いがこれも良いな。
- やまかんさん:
- 正しい逃げ方が難しかったです。
- やぶいりさん:
- 難問でした。この捨合で最長か自信なし。
- 占魚亭さん:
- 飛車の動きがいいアクセント。
- 長谷繁蔵さん:
- 5題の中で一番難しかった。変化が多い。誤解かも。
|