角銀の利きで玉は斜めにしか動けず、一見して斜め送りの趣向と分かります。 初手は48角成も見えるところですが、28玉、38馬、19玉と潜られて失敗。
となれば27金は必然。 46玉に47銀捨てもこれしかなさそう。
47銀に、35玉、55玉、同玉と3つの逃げ方があります。
まず、35玉は57角成の一発。 次に55玉は、56銀上、64玉、65銀引、73玉(53玉は75角成まで)、72角成、同龍、74銀成まで。 結局同玉と取るしかなく、48金とこちらの金も活用できました。
27金、46玉、47銀、同玉、48金、46玉、
ここまで進むと、銀を捨てながら2枚の金で追う捨て送り趣向ということが見えてきます。
36金、55玉、56銀、同玉、57金、55玉、
45金、64玉、65銀、同玉、66金、64玉、
最後のサイクルは83龍の守りがあるので、ちょっと工夫が必要です。
54金、73玉、72角成、同龍、74銀成、同玉、75金、83(73)玉、
84金 まで27手
- 作者:
- 72角成〜74銀成(不成も可)が少し難しいでしょうか。
まあまあ好形になったかなと思います。
斜め送りとしては駒数もそう多くなく、十分好形です。
銀を捨てながら2枚の金で斜めに送る趣向は、将棋妙案17番(詰将棋博物館より)があります。 妙案17番は2枚の金がお互いの利きでくっつきながら移動しますが、本作は2枚の金が(角や銀の利きを使って)離れて移動するのが新しいところ。
論理構造としては Ga−玉−L−同玉−Gb−玉 型で、二枚追いの捨て送り趣向。 くるくるおもちゃ箱のくるくるNo.90あたりから「二枚追いのバリエーション」としていろいろ紹介しているのでごらんください。 同じ論理構造でも、いろいろな物理構造が可能なので、まだまだ本作のように楽しめる趣向が眠っていると思います。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- nicoholさん:
- 変化が多くてちょっと苦戦しました。
- キリギリスさん:
- はじめ、△35玉〜△24玉の退路がありそうに思えました。
- やまかんさん:
- 銀が消えていくのは気持ちいいですね。こういう追い方煙詰でありましたか?
二枚追いの捨て送りということなら、前述のようにいろいろ作られています。 煙詰でもあったかな?
- ぬさん:
- 収束で少し悩みました。
- ひろぽんさん:
- 最後の角と銀捨てが気に入りました。
- 占魚亭さん:
- 銀捨てのワンクッションがいい感じです。
- 三輪勝昭さん:
- これは僕の一番大好きな美しい捌きの手順。
銀を引いた時に同玉の一手なら誰か既に創っているだろうなと言う手順だけど、同玉と取らせる事が出来ると閃くのが難しく、単純な発想で成立させていて大した作品です。
単純な発想で出来ないと思っていた事を出来るようにするのは詰将棋創作で一番難しい事です。
- 長谷繁蔵さん:
- 収束で迷ったが旨く決まる
- 隅の老人Bさん:
- 銀を捨てて、2枚の金で追いかける。
易しく楽しく、これぞ、くる展。
- 池田俊哉さん:
- 斜め朝霧と言った趣向(妙案17番とは異なる味わい)。角が消えて完成度がさらにアップ
- 山下誠さん:
- これは面白い金銀の協力形。
- S.Kimuraさん:
- 銀が動いてから消えるのが良いですね.
- 名無し名人さん:
- 銀が全部消えて気持ちいい。
- やぶいりさん:
- 第4小節でリズムが変わった。
- hiroさん:
- 銀を捨てて、金で押し上げる。
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