トリに控えるのは170手台という大作。 左辺の桂香が気になりますね。 これらの駒を取りに行くとすると、持駒に角があるから、「わかった、馬ノコだ。」
まずは馬を作りましょう。
34角、22玉、23歩、31玉、41金、同玉、52角成、31玉、
53馬、63馬と馬ノコしていけば、96の香が取れそうです。 合駒は金しかないので切って簡単。
53馬、41玉、63馬、31玉、
64馬、41玉、74馬、31玉、
75馬、41玉、85馬、31玉、
86馬、41玉、96馬、同香、
96馬には同桂もありますが、こういう配置の時は香から先に行くとしたものです。
さて、馬がなくなってしまったので、取った香を使って再び馬を作りましょう。
42歩、31玉、22歩成、同玉、24香、23角合、同香成、同玉、
24香に金合は取って簡単なので角合。 同香で角が手に入り、初形と似たような形になりました。
34角、22玉、23歩、31玉、41歩成、同玉、52角成、31玉、
53馬、41玉、63馬、31玉、・・・ 96馬、同香、
これで2枚目の香をゲット。4枚とも取ってしまいましょう。
42歩、31玉、22歩成、同玉、24香、23角合、同香成、同玉、
34角、22玉、23歩、31玉、41歩成、同玉、52角成、31玉、
53馬、41玉、63馬、31玉、・・・ 96馬、同香、
42歩、31玉、22歩成、同玉、24香、23角合、同香成、同玉、
34角、22玉、23歩、31玉、41歩成、同玉、52角成、31玉、
53馬、41玉、63馬、31玉、・・・ 96馬、同桂、
香がなくなったので同桂と取るしかありません。
42歩、31玉、22歩成、同玉、24香、23角合、同香成、同玉、
34角、22玉、23歩、31玉、41歩成、同玉、52角成、31玉、
53馬、41玉、63馬、31玉、・・・ 86馬、42香合、
黙って桂を取られてはすぐに詰んでしまうので、86馬の時42香合と抵抗します。
ちなみに、これまでも香合するチャンスはありましたが、そのまま収束手順に飛び込んでしまうので、86馬まで待ってから42香合とするのが最長手順になります。
42同馬、同玉、53歩成、31玉、22歩成、同玉、24香、23角合、同香成、同玉、
34角、22玉、23歩、31玉、42と、同玉、43角成、41玉、
香が取れたので同じように馬を作りますが、54歩がなくなっているので52角成からの馬ノコは香合でダメ。
43角成とこちらで馬を作って収束に入ります。
42歩、31玉、22歩成、同玉、33金、同歩、
23歩、同玉、24歩、22玉、21馬 まで179手
33金がとどめの好手。最後は馬で締めました。
- 作者:
- シンプルな馬ノコ×香はがし趣向です。 同じ構造としては森長宏明氏の「桃源郷」くらいしか知りませんが他に前例はあるのでしょうか。持駒制限をしているのは24香に対する銀合を防ぐためです(他の合駒は詰みます)。収束がちょっと長いかもしれません。
馬ノコと香はがしの組み合わせは珍しいですね。 森長さんの「桃源郷」は角遠打からの馬ノコで香をはがしにいくすばらしい作品で、塚田賞を受賞しています。
こちらもぜひご鑑賞ください。
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