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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.239 菅野哲郎さん
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
受方も持駒は飛だけ 70手台

くるくる展示室No.239 菅野哲郎

昔の工場みたいなおもしろい初形。 持駒が双方飛車1枚ということで、飛打飛合の横送りが想定されます。 85、55、25と3か所穴が開いているので、どうなるのでしょうか。

初手は76飛ではすぐに85玉で失敗。 66飛と少し離して打ちます(66より右ならどこでもかまいません)。 66飛には86飛合。 いずれ85に逃げるのですが、受方最長の原則にしたがって、その前に手数稼ぎします。 同飛、同玉、66飛にもう一度76飛合。 更に同飛、同玉、56飛とすると、これ以上飛合をしては85に逃げ込めなくなるので、ここで85玉。

  66飛、86飛合、同飛、同玉、66飛、76飛合、同飛、同玉、
  56飛、85玉、

84と、と成香を取れば、95玉は94と引までなので同玉の一手。 94と、85玉、86香、96玉で、なんと元の位置に戻ってしまいました。 しかし、ここで83香成としておけば、今度は85玉には84成香までの詰みがあるので、もう85には逃げられません。

  84と、同玉、94と、85玉、86香、96玉、
  83香成、86飛合、同飛、同玉、66飛、76飛合、同飛、同玉、
  56飛、66飛合、同飛、同玉、

ここまで5回の飛合、28手かけて3筋右に送ることに成功しました。 同じ形なので、あとは楽しむだけです。

  36飛、56飛合、同飛、同玉、36飛、46飛合、同飛、同玉、
  26飛、55玉、
  54と、同玉、64と、55玉、56香、66玉、
  53香成、56飛合、同飛、同玉、36飛、46飛合、同飛、同玉、
  26飛、36飛合、同飛、同玉、

3回目は17歩があるので、飛合の回数がだいぶ減ります。

  16飛、26飛合、同飛、同玉、
  16飛、25玉、
  24と、同玉、34と、25玉、26香、36玉、
  23香成、26飛合、同飛、同玉、
  16飛、25玉、24成香 まで75手

最後は25に逃げるしかなくなって、24成香までの詰め上がり。

飛打飛合は良く使われる趣向ですが、本作は横の飛打飛合に3筋おきに縦の逃げを加えることで、同じ位置での飛打飛合を2度行っています。 これによって飛合回数も、単純な飛打飛合なら7回のところなんと12回に。 きれいな初形からほとんど変化もなく75手という長手数を楽しめる、菅野さんらしいくるくる作品でした。

1回飛打飛合をとばして71手で詰めた方もいましたが、実質解けているので、今回は甘く見て正解扱いとしました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

ひろぽんさん:
玉が飛車を避けながら進むのが面白い。
長谷繁蔵さん:
10手目66飛合として失敗
占魚亭さん:
成香取り〜香成がいいアクセント。
きたさん:
片道だけで75手もかかるこのスローな移動速度がいいです
nicoholさん:
こんな長手数が解けたのは初めてです。
しまぎろうさん:
変わった手数伸ばしの方法で斬新と思いました。
やまかんさん:
1筋に吸い寄せられていく〜
池田俊哉さん:
趣向は見えるが、戻れなくなるぎりぎりまで飛合を続けるのが肝心
S.Kimuraさん:
最初は玉が86からすぐに85に逃げていたため手数が合わずに焦りました.
隅の老人Bさん:
飛打飛合だけの趣向と思ったら、香の限定成もありました。
くる展半期賞に推薦します。
作品の表彰も実現したい項目ですが、展示室によって出題頻度がまちまちなので、どういう方式にするか悩ましいですね。
名無し名人さん:
やさしい飛打飛合趣向。
ballpen517さん:
76まで行ってから85に引くんですね・・・
そのせいで手数が70台まで行かず、大分時間かかりました(汗
純粋に、綺麗な作品だなと思えました。
三輪勝昭さん:
どうでも良い事だけど95香は不要駒じゃないの?
菅野さんとしては水準作だけどやはり楽しい。
15香はなくても詰みますね。 たぶん最初後手15桂を配置していて、それでは34とに14玉で詰まないので詰方の香にしたのではないかと。

くるくる展示室No.239 解答:13名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  きたさん  しまぎろうさん  隅の老人Bさん
  占魚亭さん  名無し名人さん  nicoholさん  長谷繁蔵さん  ひろぽんさん
  ballpen517さん  三輪勝昭さん  やまかんさん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。