棋譜ファイル(柿木将棋kif形式）

出題時のコメント：

変化とばしで大丈夫　２０手台

本作も斜めに送る趣向の形。 持駒に歩がたくさんあるので打ちながら送ることになるのでしょう。 とはいえ、最初は３１のと金がいるので、まずは香か角か馬で王手の３択です。

１１馬は、３２玉、３３歩、４３玉で、馬の利きが止まっては広すぎてダメそう。
１２（１１）香成は、３２玉、３３歩、４３玉、４４歩、３３玉、３４歩、２３玉で失敗。
とりあえず１２角成としておきましょう。

３２玉に３３歩、４３玉、４４歩としたとき、今度は３３玉なら３４歩、３２玉、９８馬まででぴったり。 ５４玉と逃げるしかありません。 だんだん斜め送りの趣向が見えてきました。 そう、たぶん５５歩、６６歩と歩を打っていくのでしょう。 毎回横の歩を取られる変化がうっとおしそうですが、「変化とばしで大丈夫」とのことなので、素直に斜めに逃げることにします（オイオイ、イイのかそれで）。

３３歩、４４歩、５５歩、６６歩、７７歩、８８歩で、ここはもう７７玉と歩を取るしかない。 ７８歩に７６玉・６６玉と二つの逃げ方がありますが、６６玉は８７歩で捕まっている（７６玉は７７馬、６５玉は５７桂）ので、７６玉と逃げましょう。 ９８馬、６６玉で、これはどうやら、またまた歩打ちの斜め送りが始まるようです。

６７歩、５６歩、４５歩と調子よく追いかけて続けて３４歩。あれ、打歩詰だあ。 どうやら、「とりあえず１２角成」としたのがまずかった模様。 １２馬ではなく１２角なら３４歩と打てますね。 そう、初手は１２角不成が正解だったのです。

　　１２角不成、３２玉、
　　３３歩、４３玉、４４歩、５４玉、５５歩、６５玉、６６歩、７６玉、７７歩、８７玉、
　　８８歩、７７玉、７８歩、７６玉、９８馬、６６玉、
　　６７歩、５５玉、５６歩、４４玉、４５歩、３３玉、３４歩、２２玉、２３歩、１１玉、
　　２１角成　まで２９手

歩連打の趣向はよくありますが、歩連打だけで斜め往復とはおもしろい。 初めてだと思います。
往路の変化が気になりますが、ちゃんと読むとくるくるの域を超えてしまうので、変化とばしで。 気になる方は上の図または棋譜ファイルの分岐棋譜でご確認ください。
初手角不成という、くるくるらしからぬ伏線まで入って、楽しい作品に仕上がりました。

作者：

角を２枚置いて歩で追いかけて面白いくるくる詰将棋を、と思って創作しました。
５手目、７手目、９手目、１１手目など歩を打つと９９の馬の影になる変化があるのでそれを簡単に処理できたのが幸いでした。
苦労した変化はくるくる詰将棋創作の難所で折り返し地点の辺りの１６手目６６玉ですが、それは４９桂馬の配置によって簡単に処理できました。
４９桂馬に合わせて２４歩、３５歩、４６歩も１６桂馬、２７桂馬、３８桂馬に変えることも出来て、見た目はよくなりますが紛らわしくなりますしやめました。
収束３１の駒を金とかにしてそれを取って終わらせることも考えましたがどっちの角からいってもいい余詰があり断念しました。
そのかわり運よく初手角不成が入りました。これは角成ってると最後に気づいて直すパターンだと思いますので難しくはないと思います。
これがあることもあり桂馬は１枚だけにして易しくなるようにしています。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

ひろぽんさん：

普通に歩を並べて詰みと思ったが違いました。打ち歩詰めがあった！

長谷繁蔵さん：

初手発見に苦戦。９８馬８８馬の鋸かと思って５題中一番苦戦。

占魚亭さん：

初手注意。

きたさん：

49桂の配置がけっこう意味深

nicoholさん：

変化でわからないところもありましたが作意手順はこれかなと

しまぎろうさん：

面白いですね。

やまかんさん：

くるくるにしてはやっぱり初手とか変化ややこしいかなあ。

池田俊哉さん：

初手が見事な伏線。98馬で筋を変えて追いもどすのが良い

S.Kimuraさん：

最後に打歩詰になることが分かり，最初から入力し直す羽目になりました．

隅の老人Ｂさん：

初手がピカリの伏線。登り道、変化読み飛ばしの妙手あり、かな。

名無し名人さん：

初手角生が25手先を見越した伏線手。

三輪勝昭さん：

暗算では読めず(涙)。
歩を叩いた時、前に叩いた歩を取ると、叩き、下がれば98馬だからさらに前に叩いた歩を取る。その時は歩を突いて空き王手…ここまでは読める。
玉が6筋迄来ると暗算で読めなくなりました。
空き王手した歩が邪魔で98馬が出来ないのでどうするかと思ったら玉方57〇でなく49桂になっているのがミソでしたね。
前述の手順で創りたい気がするけど不可能それとも可能？

くるくる展示室Ｎｏ．２３７　解答：１２名　全員正解

　　池田俊哉さん　　S.Kimuraさん　　きたさん　　しまぎろうさん　　隅の老人Ｂさん
　　占魚亭さん　　名無し名人さん　　nicoholさん　　長谷繁蔵さん　　ひろぽんさん
　　三輪勝昭さん　　やまかんさん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。