恐ろしげな形ですが、よく見ると初手は角打ちしかなさそうです。 また、実際に並べてみると後手の持駒は歩しかないことがわかります。
95角と左からの角打ちは84歩合で全然ダメ。 といっても右からの角打ちは銀が邪魔しています。 しかし、さらにじっくりと眺めると、ありました。
唯一取られない角打ち、そう、19角の遠打です。
これに対する受けが本作のテーマ。 持駒は歩だけで2筋から6筋まですべて歩があるので、合駒を打つことはできません。 72玉と逃げると、62金寄、81玉、71金寄、92玉で先に93香と捨ててから82角成以下。
かといって63玉と逃げるのは62金引の1手詰。 この詰みを避ける手段として55銀と捨てて逃げ道を開けるのはどうでしょう。 いや、それでも、同角、63玉、62金引、54玉、65銀まで。
ここで45が空いていたら・・・と考えると、何となく前題と似た雰囲気が。 そう、銀を4枚とも捨ててしまって逃げ道を作るのが最も延命できそうです。
19角、28銀成、同角、37銀成、同角、46銀、同角、55銀、
同角、63玉、62金引、54玉、
65銀、45玉、56銀打、36玉、47銀打、27玉、38銀打、18玉、
18香 まで21手
四銀移動連合という、前題に続いてくるくるとしては高度な趣向。 奇しくも同時期に投稿があったので、同時出題させていただきました。 前題が受方持駒指定にしてすっきりした配置で実現しているので、本作の初形の駒の多さが目立ちますが、初手遠打から入るところはいいですね。
そして前題と同様、取った銀を後半の斜め銀連打の趣向できれいに全部消費するところは、やはりくるくるの味わいです。
- 作者:
- 戯作ができましたので、おもちゃ箱に投稿します。いっそ同人室にでも投稿しようと思ったのですが、中段玉では無いので断念しました。
四銀移動連合はデータベースでの検索ではみつかりませんでした。 同人作家になり、ますます好調の利波さんの戯作でしたが、本作が”一番星”のようです。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 凡骨生さん:
- 詰まないのでよくよく見れば62は杏だった。
- 市原誠さん:
- ヒントで、すぐに閃きました!
- 占魚亭さん:
- 攻守に銀が活躍。
- キリギリスさん:
- 玉方の銀4枚がすべて攻方に換わり面白い。
- 仮面棋族さん:
- 銀の4連続移動合がエクセレントです
- 長谷繁蔵さん:
- 面白い面白い
- きたさん:
- 前作との対比が面白い。玉方持駒制限をつけないと大模様になる。
- ぬさん:
- まさか同じ月に同じ様な狙いの作が出るとは…
- しまぎろうさん:
- 銀でも出来るとは!
- 名無し名人さん:
- 合駒制限の駒が全部盤面に置かれているところがNo.231と対照的。
- ひろぽんさん:
- 持ち駒が品切れで銀の移動合いしか無い為連続捨てが良い。
- 池田俊哉さん:
- 231の銀版。もう少し簡略化できそうな気もするが、この作者でこうなら仕方ないのでしょう
- 隅の老人Bさん:
- 連続の銀の捨て合で王の延命策を計る。
これも真面目に変化を読むと草臥れる。
- やまかんさん:
- 手順は面白いのですがやはりこれだと玉方の持駒に苦労してるという感じのほうが大きいですね。
- 名城健太郎さん:
- 銀の捨て合い4連続。
- 三輪勝昭さん:
- 僕は玉方持駒指定は詰将棋とは認めていませんが、流石にこの図にはウンザリ。
くる展では玉方持駒指定の方が良い。
- 太刀岡甫さん:
- 銀の階段が裏返る。
- S.Kimuraさん:
- 2手目に72玉とされたときの変化が難しかったです.
くるくる的にはこの変化はもっと簡単にしたかったですね。
- やぶいりさん:
- うまく逃げ道を開拓したが盤端で行き詰まった。
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