出題コメントの通り、95や75の歩がなかったら、桂をペタペタ打って詰み。 つまり、この歩はジャマ駒なのです。 そこで、94歩から93歩成と歩を消去しようとしますが、受け方もそうはさせじと銀を取って逃げます。
94歩、83玉、93歩成、73玉、
右に二つずれて、また同じ形。 この歩突きから歩成の手順を繰り返します。
74歩、63玉、73歩成、53玉、
54歩、43玉、53歩成、33玉、
34歩、23玉、33歩成、13玉、
9筋にいた玉が、ついに1筋まで逃げてきました。 以下は収束です。
25桂、24玉、34と、15玉、27桂 まで21手
この歩と玉の趣向手順だけなら、歩に香のヒモをつければ簡単に実現できます(例えば右図)。 しかし、作者が狙ったのは、歩と玉の動きだけでなく、突いた歩をすぐに成り捨てる手順の妙、そして、その繰り返しなのです。
- 作者:
- 狙いはすぐに85桂馬とすると83玉のところ95桂馬が打てない。
そのために歩を成捨てて形を変えずに桂馬の打つ場所を作ろうということです。
玉方はそれを避けるために逃げていくという手順です。
趣向手順の中にジャマ駒消去の手筋を入れたことで、味わい深い趣向作品になりました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 鈴木康夫さん:
- と金が取れないのが悔しい。
- 凡骨生さん:
- と金が取れないとは!玉も残念。
- 市原誠さん:
- ヒントの意味が、良く理解できませんでした…。
上記の解説をごらんください。
- やまかんさん:
- 銀の配置がいい。収束がもう少しなんとかしたいところ。
- 長谷川琴さん:
- 歩が無ければ、桂連打で詰みが解れば後は簡単。
三輪勝昭さん:
- 詰方は歩が邪魔駒。それを捨てると玉方は交わして、次の繰り返しの展開。
僕は趣向手順にはほとんど無知だけど珍しいのでは?
一段目のと金は次の配置で一掃出来ますね。
持駒 桂桂
玉方 14歩、21香、26角、56歩、93玉
詰方 12飛、13銀、22歩、33銀、35歩、36金、46桂、53銀、55歩、73銀、75歩、76金、86桂、95歩以上33手詰。
くる展御法度の長い収束。
21香は詰方31となら少し短くなりますが。
工夫次第で短くする事は可能かも?
僕はどうしても捌きたくなるもので…
この案だと、趣向が1回減ってしまうのが痛いですね。
- S.Kimuraさん:
- 一段目を削って,全体的にもう一段前に動かすのは難しいのでしょうね.
一段前に動かすと93歩不成を実現しなければならないから、むちゃくちゃ難しそうな。
- きたさん:
- 美しい趣向。玉が13で詰めばもっときれいだったかも。
- 長谷繁蔵さん:
- 3手目95桂として大苦戦
作者のはいつも上手く出来ている 楽しみ
- 名無し名人さん:
- 結局最後まで歩を1枚も取らないとは。
- やぶいりさん:
- 銀を掃き捨てた後、王様自身を掃く。
- 池田俊哉さん:
- 五段目歩の邪魔駒消去がそのまま趣向になるというのはうまい構成
- 隅の老人Bさん:
- 突き歩、続いて歩成、仕方がないので、銀でも取ろう。
流れ流れて落ち行く先は?
- 小林巧さん:
- オモチャの騎兵隊ならぬ と金の奇兵隊。
- 占魚亭さん:
- 取るに取れないと金。
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