遠くにいる馬の配置から、感のいい方は馬ノコかなとピンときたかもしれません。 しかし、ただの馬ノコではなく、なんと一つ馬が近づくごとに、飛車がぐるっと1回転する複合趣向なのです。
大駒の利きが見えにくいので暗算で解くのはちょっと大変ですが、1手づつじっくり確認していきましょう。
81馬、47玉、
近づくのが目的の馬ノコなので、途中の合駒はお手伝い、考える必要はありません。
81馬に玉の逃げ方は37、46、47の3通り。
一番簡単なのが46玉で、45馬とすぐに馬を近づけます。 これに対し37玉や47玉は27飛の一発なので57玉と逃げますが、それでも27飛で、47に捨て合しても、同飛、58玉に67馬から68馬で詰みます。
次に37玉を考えてみましょう。 82馬として、46合は27飛まで。 47玉も27飛まで。 36玉と逃げるしかありませんが、それでは72馬と、普通に馬ノコで近づけてしまいます。
81馬には47玉と逃げるのが最強の受け。 当然27飛と両王手して46玉。 ここで82馬では35玉などと逃げられて失敗。 47飛と、続けて飛で追うのが良い手です。
35玉のときも45馬としたくなるけど、26玉、27飛、15玉で逃れ。 もう一度飛で45飛が正解です。 34玉は25角まで。 26玉に25飛、37玉となってみると、なんと、2手目37玉と逃げたのと同じ形になっているではありませんか。
飛をぐるっと1回転させたことによって、玉を37に誘導し、82馬と近づけるのに成功しました。
27飛、46玉、47飛、35玉、45飛、26玉、25飛、37玉、
82馬、36玉、72馬、47玉、
馬が一つ近づくたびに47玉を37玉にするため飛の回転が入ります。
27飛、46玉、47飛、35玉、45飛、26玉、25飛、37玉、
73馬、36玉、63馬、47玉、
27飛、46玉、47飛、35玉、45飛、26玉、25飛、37玉、
64馬、36玉、54馬、47玉、
27飛、46玉、47飛、35玉、45飛、26玉、25飛、37玉、
55馬、36玉、45馬、47玉、
27飛 まで51手
馬が45まで近づくと、もう46玉と逃げられないので、27飛までで詰み。
- 作者:
- 飛回転入りの馬鋸です。
高度な趣向を簡潔な配置で実現、最初から最後まで純粋に趣向手順で完結しているのも、くるくるとしてはポイントが高いですね。 くるくるバラエティーの末尾を飾る傑作でした。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- やまかんさん:
- うまく出来てますね、変則的な馬鋸ですか。こういうの苦手なので仕組みが分かるまでがたいへんでした。
- 凡骨生さん:
- 馬鋸を絡めた飛の回転オモシロイ。
- 長谷繁蔵さん:
- 玉の逃げ方面白い
- きたさん:
- 非常に巧みな仕掛け。
- S.Kimuraさん:
- 最初に27飛や45飛として玉を動かしてみたのですが,
良くわかりませんでした.
- やぶいりさん:
- 馬が近づくにしたがい回転が速まるように錯覚します。
- 長谷川琴さん:
- 評価 A
くるくる、にしては少し難しいような気がします。
- 名無し名人さん:
- 馬鋸と飛の回転を組み合わせた趣向作。
スッキリ纏まっていて完成品ですね。
- 三輪勝昭さん:
- 47玉を37玉にするため飛を一回転ですか?
どうやって考えついたか不思議なほど面白いカラクリ。
僕なら38手目46玉、45馬、57玉以下詰将棋らしい収束にするけど…
配置を無視すれば、飛は消すのは難しくない。
- 池田俊哉さん:
- 途中46に逃げる変化に不詰感が漂うが、筋が分かってしまえば楽しい馬鋸。
最後はやっぱり47に逃げたい
- 隅の老人Bさん:
- 仕掛け花火(飛)で舞台は回る。W趣向、上手いな、です。
|