まず、初形をじっくり見てみましょう。
1) 1段目のと金群は金ベルトで玉を22、32、42のどこでも動かせる。
2) 攻め駒としては、2筋の香が桂を取って王手できる形。 18飛も28飛と展開する順がありそう。
3) 一方、受け駒は54飛と33と。 24香には同飛や同とがある。
24香と行く前に守備を弱めないといけないようです。
33とは、玉を42に移動させて43歩と打てばどけることができます。 やってみましょう。
21と左、32玉、31と左、42玉、43歩、同と、
54の飛はどうしようもなさそう。 そのままで、玉を22に戻して24香を敢行しましょう。
41と右、32玉、31と右、22玉、24香、同飛、
次は26香といきたいのですが、24飛が邪魔をしています。 玉を42に呼んで54桂、同飛とすれば移動させることができそうですが、さっきと金を43に動かしたので、54桂は同とと取られてしまいます。
これを防ぐには、と金をいったん33に戻せばよさそうです。
21と左、32玉、33歩、同と、31と左、42玉、54桂、同飛、
また、と金を43に戻して、26香と進めましょう。
43歩、同と、41と右、32玉、31と右、22玉、26香、24歩合、同香、同飛、
これでパターンが見えてきました。 もう一度繰り返して、今度は28の香を取りましょう。
21と左、32玉、33歩、同と、31と左、42玉、54桂、同飛、
43歩、同と、41と右、32玉、31と右、22玉、28飛、同と、
香が入手できたので、23香と打って収束します。
23香、11玉、21と、12玉、22と(香成) まで51手
飛車を振らせながら香で連取りする作品は前例があります。 本作はそれにと金移動を加え、1枚はがすごとにと金と飛車の2枚を往復させる、香による連取り趣向です。 複雑な構成の趣向ですが、簡明な論理ですっきりと表現しています。 とはいえ、くるくるとしては難しい作品で、正解者は8名にとどまりました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- ほいさん:
- 知恵の輪系、種はくるくる、香が欲しい。
あと桂馬が二枚あれば75と85に置いて、9筋まで延長できそうで面白そう。
使用駒数を拡大したフェアリー詰将棋も、おもしろい作品ができるかも。 私も歩を22枚使った図を作ったことがあります(おもちゃ箱 No.16参考図)。 当時使っていた将棋ソフト励棋には駒箱補充という機能があり、枚数を増やした図を作ることができました。 解図や検討は無理だと思っていたら、脊尾詰がこの図を解いてくれたのにはびっくりしました。
- 凡骨生さん:
- 飛を左右に振るために守備と金絡めて上手く纏めてある。
- きたさん:
- 初級向けイオニゼーション。
- S.Kimuraさん:
- ヒントの「と金と飛車を動かす」の「と金」は1段目のと金ではなく,33とのことだったのですね.
初手24香として,同とにしばらく悩んでいました.
- ronさん:
- 王様とと金のダンスといったところでしょうか。
と金のステップに翻弄される王様の姿が愉快でした。
- 池田俊哉さん(作者):
- と金送りにシャッターを2枚付けてみました。
12に余分な駒がありましたが、TETSUさんのご指摘ですっきり落ち着きました。
ありがとうございます。
- 隅の老人Bさん:
- 左に右にと、乙女心は揺れ動く。
28手目の合駒だけは考えて、見事に乙女心をキャッチする。
- やまかんさん:
- 途中傷ありで駒取りなので巧妙とは思わないが悪くはないね。並べられてる他の2作と較べられて損しちゃったかな。
- 占魚亭さん:
- 桂・香を取るタイミングに少考。
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