「解答:TETSU-No.16」 SOFTV3 9−2016 1998年1月4日 |
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初形を眺めると、14飛で王様は上には行けない。 でも、15の玉が取られてしまうので、14飛は動けない。 桂は成り捨てるしかなさそう。 となると、99の龍を世に出すしかなさそうです。
83桂成は同香があるので、初手は73桂成の一手。 同玉に79龍で、逃げ方に迷いますが、82玉だと83桂成、同玉、74龍。 63玉でも74龍で龍に近寄られてしまいます。 62玉と逃げ、63歩には52玉と、龍に近寄られないように逃げるのが正解。
▲7三桂成 ▽同 玉
▲7九龍 ▽6二玉 ▲6三歩 ▽5二玉 ▲5三桂成 ▽同 玉
▲5九龍 ▽4二玉 ▲4三歩 ▽3二玉 ▲3三桂成 ▽同 玉
▲3九竜 ▽2三玉2筋まで行くと22には行けないので、23玉。 やっと、28龍と、ちょっと近づけます (あわてて34龍といくのは同香でアウト)。 ○で龍の動きを示すと、図のようになります。
途中1図は ▲2八龍 まで
▲2八龍 ▽3二玉 ▲3三歩 ▽4三玉
▲4八龍 ▽5二玉 ▲5三歩 ▽6三玉
▲6八龍 ▽7二玉 ▲7三歩 ▽8二玉 ▲8三桂成 ▽同 玉
▲8八龍 ▽9三玉左でも92玉といけないので、93玉に97龍と近寄れます。
▲9七龍 ▽8二玉 ▲8三歩 ▽7三玉
▲7七龍 ▽6二玉 ▲6三歩 ▽5三玉
▲5七龍 ▽4二玉 ▲4三歩 ▽3三玉
▲3七龍 ▽2三玉さらに26龍と近づいて、折り返します。
▲2六龍 ▽3二玉 ▲3三歩 ▽4三玉
▲4六龍 ▽5二玉 ▲5三歩 ▽6三玉
▲6六龍 ▽7二玉 ▲7三歩 ▽8三玉
▲8六龍
途中2図は ▲8六龍 まで
途中2図が要注意ポイント。 これまでの流れで93玉と行きたくなりますが、龍がここまで近づいているので、 95龍、82玉、83歩、73玉、84龍以下右に追って詰んでしまいます。 正解は73玉!
▽7三玉
73玉だと、もう一度折り返せるので、これが最長手順になります。
▲7五龍 ▽6二玉 ▲6三歩 ▽5三玉
▲6四龍 ▽4二玉 ▲4三歩 ▽同 玉
▲4四龍 ▽5二玉 ▲5三歩 ▽6三玉
▲6四龍 ▽7二玉 ▲7三歩 ▽8二玉 ▲8三歩 ▽同 玉
▲8四龍 まで79手
詰上り図
盤面全体を使った、雄大な趣向詰でした。 お楽しみいただけたでしょうか。
- 岡崎正博さん:
- 脊尾詰が解きました (^^; ムムッ、桂香歩の並び具合がおかしいな? ああ、そうか、飛車が5段で、2.5往復か と云う訳で初手が見つかったら、順調に行き、 何とかたまたま見つかった詰手順が、 数えて見たら、丁度ぴったし、79手ではあ〜りませんか。 (^^)
脊尾弐に掛けたら、あらっ同じ。 ラッキー、と云う訳で、脊尾弐正解です、きっと。
今回は長いので、応援団付きです。 2往復行ったところからは短篇で、運よく何とかなりました。 私には幸運の女神がぞっこん参ってるに違いない (^.^)
なんと岡崎さんトップ! と思ったら岡崎、脊尾詰の連合軍でしたか。 でも、間違えやすい箇所がけっこうあるのに、たまたま正解が見つかるなんて、 やっぱり幸運の女神がついているのかな。 今年もいい年になりそうですね。
自力で解かないと良さが分からない問題もありますが、 TETSU の問題にはめったにありませんので、 応援団をお持ちの方は遠慮なくお使いください。 >みなさん
- 池田ママス&パパスさん:
- 早速解いてみました (正月休みにでも、と書いてあるのに ・・・ (^^; )。 これは以前詰工房例会で見せていただいたと思うのですが、細かい部分は忘れていて (すいません、やっぱり自分で解かないとダメですね)、 案の定後半で手が止まってしまいました (^^; 。
手が長そうだ、と思う方向に追っていくと、 最初の二往復がすらすらと流れるように進むだけに どうしても手拍子に進めてしまいがちで、歩が足りなくなったり余ったりしてしまいます。
# 何回か逃げ方攻め方を間違えかけましたが、何とか79手で詰んでホッとしました。
こういう作品のように前半と後半でリズムが異なると、結構違和感を覚えたりするものですが、 この作品に限ってはそういうことがありませんね。 歩と龍だけで追っていくと言うシンプルさが生きているのでしょうか。
私も、最初手拍子に進めてしまって、もう少し歩が少なくても詰むと思っていたら、 脊尾詰が詰まないというので、ずいぶん悩みました (^^;
後半は、途中をバイパスして、いつのまにか元のリズムに戻る感じなので、 あまり違和感がないのかな。 歩がもう4枚あれば桂馬もいらなくて、もっとシンプルになったんですが。
- Kita さん:
- 少しさぼっていましたが、手なりで進みそうな初形に手を出してみました。 いやいや、これが結構くせ者で、なかなか79手でぴったり詰んでくれません。 結局、全ての折り返しで慎重に事を進めてなんとか79手になりました (^^)
繰り返しのようで決して単調でなく、それでも79手という長さを感じさせるわけでなく、 祝日に格好のパズルになりました。 最初は桂馬がいるっていうのも、変化があって良かったと思います。
歩がもっとたくさんある図も並べてみたいですね。 励棋なら 「強行しますか?」 って聞かれるだけで、受け付けてくれますよねえ。 もちろん、過剰な駒はエディターで入力するわけです。
ホントは純粋な繰り返しにしたかったんですが、そううまくはいきませんでした。 結果的に適当なパズルになったようで、そこを楽しんでいただけると、うれしい (^^)
歩22枚の図、ご希望に応えて、並べてみました。 この方がいいかな (^^; (81手)
参考図
- 豐聰さん:
- <1回目>
59手で、歩が5枚も余ってしまいました。 (;_;) 応手が間違っていることは一目瞭然。 最強の応手になるように、もっと考えます。
<2回目>
83手目に打つ歩がありません。 (;_;)
<3回目>
どうも53手目からの7三歩、8二玉、8三歩あたりが怪しいです。 (ちなみに龍は6五にいます。) この後、9三玉、9六龍、8三玉、8五龍、7三玉のときに打歩詰めを警戒して7五龍と遠慮したのが敗因で、 7四龍と踏み込むと69手で詰みました。ということは、... 。 ここ (65手目) まで手を進めたのでは、詰まないようです。
<4回目>
34手目を8三玉と誤っていました。 8二玉としてみます。 58手目に8二玉とできなくなりました。 しめしめ。 あれーっ、85手目に打つ歩がありません。 待てよ。
<5回目>
60手目に9三玉と(惰性で)逃げていましたが、 これだと7五龍ではなくて8四龍が成立して75手の駒余りになるのですね。 それでは。 あれっ、また歩が足りない。 あっそうか、5三玉のときに5五龍ではなくて6四龍が成立するんだ。 ありゃりゃ、今度は歩が余る。 67手目を原点にして、もう一度考えます。
<6回目>
4三歩に惰性で3三玉としたのがいけなかったのでした。 同玉から盤の左に折り返して、ぴったり79手。
惰性で読んではいけないよという、好例でした。 手数を知らなかったら、きっと不正解のまま納得していましたね。 「カッチカッチ、歩で用心」 でした。
6回も重厚に楽しんでいただき、ありがとうございました。 作者よりよく読んでるかな (^^; 間違えやすい問題なので手数を表示しました。 そういえば詰パラの大道棋教室も手数を表示していますね。 題名はこの季節にはぴったり。 歩の用心。 飛の用心。
- 鳥本敦史さん:
- 龍の動きが面白いですね。
きれいな市松模様になるかと思えばそうでもない。
ちょっと不思議な動きに味がありますね。
解いていただいたみなさん、ありがとうございました。
次の TETSU No.17 は、発言番号1998で出題しておりますので、 またお楽しみください。 フェアリーですが、考えやすい年賀詰ですので、フェアリーファンでない方も、是非どうぞ。
本局、詰棋めいと第26号でも出題しました。 そのときいただいた感想です。
解説は首猛夫さんです。
- 作者:
- 盤面全体を使った雄大な趣向詰。 8段竜ノコ?
こういう作品は殆ど難しいところはなく、 歩の駒数だけきちんと消化するよう逃げれば良いなんて思っていると大変。 結構ややこしい。
しかしこの単純で簡潔な一筆書きのような美しさはどうしたことだろう。
- 阿部健治さん:
- パズルの味わいと趣向の雄大さがマッチしていて魅力的。
- 磯田征一さん:
- やれやれやっと歩を使い切った。 仕掛けが分かってからの最長手順探しがすべて。 歩が余っているうちは最長ではないと分かる解答者に比べて、作者の苦労が忍ばれる。
おそらく途中図(30手目88竜、93玉の局面=省略)あたりからの逆算と思う。
- 今川健一さん:
- 如何にして龍を上の段に昇らさないように王は逃げるのかの問題。 ヤヤッコシイそして面倒なこと。 逃げ方によっては簡単に歩が余って詰む。 12枚全部使うのは難しかった。 出題を持駒に何枚歩があったら詰むかと変えたら更に難しいと思います。 尤も私の答えが正解か非か自信はありませんが。
- 橋本哲さん:
- これで合ってますか? 歩を使い切りそうな順を追ってみただけですが。 この構図で割り切れる図が作れるとは。
お二人とも正解。
- おかもとさん:
- 盤面一杯を使った巨大龍鋸。 ついつい95龍といきたくなるけど、違ったのね。
- 北村憲一さん:
- 収束も見えかけたが、この暑さのなか玉と一緒にフラフラと歩くのもツライ。 暑さ負け。 現在はとても手がける気力が起きない。
今夏は異常に暑かったですね。
- 里見良幸さん:
- 龍を上段に上げようとする攻方とそうさせない玉方の攻防が実に面白い。
- 鈴木芳己さん:
- 一見陣立詰の如きと99竜が玉に近付く趣向面白い。
- 橋本守正さん:
- 竜の横動きがユーモラスな玉と竜との鬼ごっこ。
- 金子恒男さん:
- この龍の動きからして龍鋸の一種でしょうか。
明確な定義は知らないが天上を目指す龍の動きはすばらしい。
- 田口正明さん:
- 懐しい龍の動き。 誰でしたっけ? でもシンプルイズベストです。
- 千葉肇さん:
- 72手まで追ったのに一歩足らず残念。
- 天津包子さん:
- 収束93玉と逃げたが73玉の方が長かった。
93玉 だと、95龍〜84龍 で右に追って早詰。
解く者とそれを鑑賞する者ではだいぶ感覚が違う。 本作にもそれが言える。 解いてみてその変化を忘れ、少し離れてみると全体が浮かび上がる。
本局、逃げ方を誤って手数の合わない方が5名。 最終手は合っていて実質解けているので、正解として扱った。 ただし、点数は半分の4点とした。(加藤)
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