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くるくる展示室 No.130 菅野哲郎さん 「南十字星」
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出題時のコメント:

受方の持駒は飛だけ。70手台


本作もまた、アート展示室でも良さそう。 「南十字星」の題名にふさわしい美しい初形です。

48銀、49玉、38銀は同角でだめ。 となれば48龍(対称なので68龍でも同じ)の一手。
受方の持駒が飛車しかないのに着目すれば、49龍から飛打飛合の趣向に入ることを想定するのも難しくないでしょう。

  48龍、69玉、
  49龍、59飛合、同龍、同玉、
  39飛、49飛合、同飛、同玉、
  29飛、39飛合、同飛、同玉、
  19飛、29飛合、同飛、同玉、

ここで、21飛の最遠打が妙手。 逃げれば28飛成で簡単。 合駒ですが、22飛合、23飛合、さてどっちでしょう。
正解は22飛合。 どちらにしても取ってからまた飛打飛合で左に追うしかないので、先に進めてみましょう。

  21飛22飛合、同飛成、同角、
  49飛、39飛合、同飛、同玉、
  59飛、49飛合、同飛、同玉、
  69飛、59飛合、同飛、同玉、
  79飛、69飛合、同飛、同玉、
  89飛、79飛合、同飛、同玉、
  99飛、89飛合、同飛、同玉、

さきほど21飛に23飛合だったら、56角がいなくなるので、ここで83飛と打って簡単。 22飛合が正解だったことがわかります。 22飛合のときは83飛は同角なので、82(81)飛と打つと、今度は83飛合しかありません。

  82飛83飛合、同飛成、同角、
  69飛、79飛合、同飛、同玉、
  59飛、69飛合、同飛、同玉、
  49飛、59飛合、同飛、同玉、
  39飛、49飛合、同飛、同玉、
  29飛、39飛合、同飛、同玉、
  19飛、29飛合、同飛、同玉、

再び飛打飛合で右へ移動。 今度は23飛が打てるので、収束します。

  23飛39玉、28飛成、49玉、48龍 まで79手

美しい初形から、飛打飛合の趣向を3回も楽しめる素敵なくるくるアートでした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

凡骨生さん:
二枚角の利きを外す飛打飛合が上手く組み込んである。
嵐田保夫さん:
連続のサイドチェンジで角を翻弄。
長谷繁蔵さん:
最後23飛が打てて思わず吹き出しました
池田俊哉さん:
最遠打で合駒を稼ぐのがポイント。一瞬見えずに悩んでしまった
隅の老人Bさん:
これが南十字星?、見たことがないので判らない。
悲哀、われ泣き濡れて、蟹とたわむる。
日本ではほとんど見ることができませんね。 沖縄あたりなら見られるのかな。
中澤照夫さん:
角の無力化。
S.Kimuraさん:
最後に19玉として77手詰めにするところでした
上田大輔さん:
飛車の打ち場所によってみえるものが変わるのがおもしろかったです。
たとえば、23(51)手目から43(71)手目まで飛車を9九(1九)に打ち続けると、玉と飛車がその地点に近づいていく、吸い寄せられていくようにみえます。
あるいは、玉とのあいだにひとマス空けて飛車を打ち続ける(4九、5九、6九…とする)と飛飛玉の三つの駒がそろってひとマスずつ横に動いていくようにみえます。
そういうところを楽しみました。
飛打飛合の趣向にこんな楽しみ方があったとは。 目から鱗ですね。
占魚亭さん:
2筋と8筋の飛車打ちがいいアクセントになっていますね。
鈴木康夫さん:
単純な原理で長手数と言うくるくるの見本ですね。
井上順一さん:
2枚の角の無力化。初手と最終手が同じ。

くるくる展示室No.130 解答:13名 全員正解

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  井上順一さん  上田大輔さん  S.Kimuraさん
  螽斯さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  占魚亭さん  w masakiさん
  中澤照夫さん  長谷繁蔵さん  凡骨生さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。