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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.127 菅野哲郎さん 「PINBALL」
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出題時のコメント:

受方は持駒なしです。100手台


初形対称形で題名が「PINBALL」、そして作者が菅野哲郎さんとなれば、100手超えであっても解いてみたくなります。

初手33飛成に受方は持駒なしなので逃げる一手。 25(26)玉なら、27飛、14玉、15歩、同玉、13龍まで。
そこで46玉と逃げると、47飛、55玉、53龍と、飛と龍ではじく楽しいピンボールが始まります。

  33飛成、46玉、47飛、55玉、53龍、66玉、67飛、75玉、73龍、85玉、

あれ、さっきと対称の形。 87飛で詰んじゃうのでは?
いや、75で歩を取ったので、今度は持駒に歩があります。 87飛には86歩合で逃れ。
そこで86歩と打って、巧みに折り返し。

  86歩、94玉、95歩、同玉、
  93龍、86玉、87飛、75玉、73龍、66玉、67飛、55玉、53龍、46玉、47飛、35玉、33龍、25玉、

右でも同じように折り返します。 無限ループ見たいですが、ここで27香が入手できることに注目。

  26歩、14玉、15歩、同玉、
  13龍、26玉、27飛、35玉、33龍、46玉、47飛、55玉、53龍、66玉、67飛、75玉、73龍、85玉、
  86歩、94玉、95歩、同玉、
  93龍、86玉、87飛、75玉、73龍、66玉、67飛、55玉、53龍、46玉、47飛、35玉、33龍、25玉、
  26歩、14玉、15歩、同玉、
  13龍、26玉、28香、27歩合、同飛、35玉、

この香は左では78とが強く使えません。 1往復して再び右側で28香と打つのがポイント。
35玉では33龍までなので、27歩の捨合で抵抗しますが、同飛、35玉となると、28香がそのまま残っています。

  33龍、46玉、47飛、55玉、53龍、66玉、67飛、75玉、73龍、85玉、
  86歩、94玉、95歩、同玉、
  93龍、86玉、87飛、75玉、73龍、66玉、67飛、55玉、53龍、46玉、47飛、35玉、33龍
  まで101手

2筋には行けないので33龍で詰み。 3往復して還元玉で詰みました。

上下からの飛と龍による追い趣向は三代大橋宗与の将棋養真図式29番が最初(くるくるNo.63参照)。 これは1往復ですが、その後久留島喜内が将棋妙案70番「飛龍知恵の輪」で2.5往復の作品を創作しています。
本作はその現代版ともいえる作品。 巧みな折り返し機構、シンプルなキーだけで3往復もさせたところ、初形対称から還元玉での詰みと、「PINBALL」の名にふさわしい楽しい趣向詰でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

占魚亭さん:
香打ちのタイミングでちょっとつまずきました(65手目で打つと逃れる順にはまりました)が、タイトル通りピンボールのような作品で楽しかった。
中澤照夫さん:
27香を手に入れて28香と打つ。
これを100手越えにする手腕が凄い。
凡骨生さん:
飛追い玉鋸も楽しい趣向で、還元玉にした処が渋い。
嵐田保夫さん:
お見事。
長谷繁蔵さん:
キレイな左右対称。75歩が花駒的でない所良し。
1筋2筋8筋9筋の攻防面白い。28香を見つけて解決
池田俊哉さん:
2手目右に追って短くなり、少し悩む。二歩のあやが折り返しを楽しくしている
きたさん:
微妙な左右の違いでうまく手数が伸びるものです。楽しめました。
はやしさん:
玉が歩のくぎに跳ね返って、往復します。
S.Kimuraさん:
最初は玉が右に動かしてしまったので,手数表示で助けられました.
上田大輔さん:
盤駒を使って「いーち、にーい、さーん、しーい」と手数を数えながら並べていたら、だんだんともちつきをしている気になりました。
隅の老人Bさん:
合駒を出来ないのが、チョー口惜しい。
折り返しの巧みさに感心。
香を打ったら、初めて合駒、これもお上手。
井上順一さん:
香を入手してからも、もう一往復。ずいぶん手数がかかるものと感心。
鈴木康夫さん:
27の香は単なる歩の代用かと思っていました。

くるくる展示室No.127 解答:14名 全員正解

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  井上順一さん  上田大輔さん  S.Kimuraさん
  きたさん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  占魚亭さん  躑躅さん
  中澤照夫さん  長谷繁蔵さん  はやしさん  凡骨生さん

当選者は、展示室で発表しています。