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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.123 老花現象さん
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出題時のコメント:

純生のウグイス。30手台


老花現象さんは、くるくる展示室No.123の本作で入選42回。 くるくる展示室全体の1/3以上は老花現象さんの作品なのですね。 7月18日の詰将棋全国大会では、交流タイムのくるくるシアターで、くるくる展示室の全作品を一挙上映、もちろん老花現象さんの作品もすべて鑑賞できます。 「大道詰将棋に挑戦」など、ほかにも企画がもりだくさん。 全国大会はお早めに交流タイムからおいでください。

純生のウグイス。 老花現象さんが解説してくれました(詰将棋天旗新館雑記のページ2010年06月)。

「ウグイス」とはウグイス図式の略で、将棋の駒の「歩兵」「香車」「桂馬」(および「玉将」)だけを使用する詰将棋のこと。順序を変えると歩桂香(フケイキョウ)で、これが詰将棋の愛好者にはホーホケキョと鶯の鳴き声に聞こえます。風情があります。
「純生」と言いましても、ビールのことではありません。将棋で「玉将」と「金将」以外の駒は一定の条件で「成る」ことができ、駒を裏返して使うことができます。成った駒を「成り駒」と言い、成らない駒を「生駒」と言ったりします。成らない駒ばっかりなので、「純生」と言っているのです。
ジュンナマのビールを飲みながら、ウグイス図式を詰めるというのも乙なものでしょう。


さて、このウグイス、どんないい声を聞かせてくれるのでしょうか。

  13歩成、21玉、

純生なので、打歩詰回避で13歩不成と行きたくなりますが、打歩詰にはならなくてもあとが続きません。 普通に13歩成とします。

  32歩成、同歩、33桂不成、同歩、22歩、31玉、32歩、42玉、

打歩詰は32歩成ですぐ打開できます。 32歩打を作るために33桂と捨てるのが重要な手。
32歩に同玉は43歩成、31玉、23桂まで。 42玉とかわします。

  43歩成、41玉、31歩成、同玉、23桂不成、41玉、42歩、51玉、

31歩成から23桂不成が用済みの桂を活用して1歩稼ぐうまい手。 これを省いてすぐ42歩では歩が足りなくなります。
さて、良く見ると、3筋ずれて、さっきと同じ景色が広がっています。 もう一度この手順を楽しみましょう。

  62歩成、同歩、63桂不成、同歩、52歩、61玉、62歩、72玉、
  73歩成、71玉、61歩成、同玉、53桂不成、71玉、72歩、81玉、

最後は初手と同じく歩成で締めます。

  92歩成 まで35手

作者:
3手目32歩成〜18手目51玉の16手一組の手順が、もう一度、19手目62歩成〜34手目81玉で繰り返す趣向です。言わばウグイスが二度鳴きます。
13手目31歩成〜23桂(24手目61歩成〜53桂)の入るのがいいですね。自分が作ったのであれば自慢できますが、実は柿木先生指摘の余詰順を作意に採用したものでした。

純生ウグイス図式にふさわしい軽妙な手順が繰り返し登場。 4枚の桂がすべて不成で捌けるのが気持ちいいですね。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

やまかんさん:
桂馬を上手く使ってますね。リズムが心地よい。
ほいさん:
桂で一歩稼ぐのがいい味^−^
S.Kimuraさん:
13手目に42歩としたため,歩が足りなくて困りました
凡骨生さん:
31歩成が意外だったが一歩稼ぐ好手だった。
中澤照夫さん:
単純な追い詰でない所が良い。
長谷繁蔵さん:
老化はまだまだ。変化も有り、31歩成から23桂良し。
当然とはいえ4桂動く。
嵐田保夫さん:
途中持歩の数があやふやになる。棋力の衰えか。
隅の老人Bさん:
鶯の身をさかさまに初音かな。
この句をモチーフにした探偵小説がありました。
さて、老花さんのモチーフは?、桂を巧みに使います。
占魚亭さん:
最長手順探し。
上田大輔さん:
目で手順を並べているときは桂馬を跳ねる手が気持ちよく、盤駒を使うと歩を成る手が気持ちよく感じました。
渡辺さん:
詰まないと思ったら…無理矢理歩を稼ぐんですね。

くるくる展示室No.123 解答:12名 全員正解

  嵐田保夫さん  上田大輔さん  S.Kimuraさん  隅の老人Bさん  占魚亭さん
  躑躅さん  中澤照夫さん  長谷繁蔵さん  ほいさん  凡骨生さん
  やまかんさん  渡辺さん

当選者は、展示室で発表しています。