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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.103 老花現象さん
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出題時のコメント:

くるくるNo.90の発展形。50手台


将棋図巧第6番「朝霧」の趣向部を豆腐図式にしたのがくるくるNo.90。 本作の初形はよく似ていますが、4段目のと金が1枚しかなく、それに代わって5段目にと金がたくさんあります。 そう、本作は朝霧趣向はそのまま活かしながら、5段目のと金を順次4段目にずらす趣向を加えたちょっと複雑な趣向詰です。

朝霧趣向を続けるには3段目の歩を取られてはいけません。 例えば、7手目32歩成、同玉の局面では43歩が浮いているので、すぐに22とと寄ると43玉と歩を取られて逃れ。 そこでと金寄りの前に、33と、同玉、34と、と43歩にヒモを付ける手順が必要になるわけです。

これさえ分かれば、複雑な趣向も恐れるに足らず。 さっそく手順を鑑賞していきましょう。

  22歩成、同玉、12歩成、31玉、21と寄、41玉、
  32歩成、同玉、33と、同玉、34と、32玉、22と寄、41玉、31と寄、51玉、
  42歩成、同玉、43と、同玉、44と、42玉、32と寄、51玉、41と寄、61玉、
  52歩成、同玉、53と、同玉、64と直、52玉、42と寄、61玉、51と寄、71玉、
  62歩成、同玉、52と寄、71玉、61と寄、81玉、
  72歩成、同玉、73と、同玉、84と左、72玉、62と寄、81玉、71と寄、92玉、
  82歩成、同玉、72と寄、92玉、93歩、91玉、81と寄 まで59手

45玉の分、5段目のと金の枚数が足りませんが、5筋のときは54とでなく64とと1回節約できるので、ぴったり詰みます。
作者:
歩の成捨てに、と金捨てを絡めた送り趣向です。
双玉にしまして詰方45玉配置、および玉方82歩配置が幸運です。これで余詰・非限定が全部消えました。
初形で16枚のと・歩がどんどん捨てて5枚まで減る気持ちのよい手順でした。

ところが本作と同様な機構で、なんと歩一色煙に仕立てた作品があります。 下記の岡村孝雄さんの「海雪」。 煙を狙った作品のため本作より趣向性は少し弱くなっていますが、歩18枚が3枚まで減るのにはびっくり。 ぜひ合わせてご鑑賞ください。

注)詰上り枚数としては4枚ですが、歩一色煙は詰上り3枚では実現不可能 (各種煙詰の限界を参照)なため、 初形19枚(玉と歩18枚)から詰上り4枚になる作品を歩一色煙と呼びます。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
小峰耕希さん:
豆腐図式の基本手筋。
小野寺さん:
豆腐より納豆のほうが好きだな・・・
中澤照夫さん:
54とが上手いアクセント。
くるくる90より格段の進歩。
長谷繁蔵さん:
歩の攻撃にと金が協力。45玉上手い配置。くるくる90に似ている。
凡骨生さん:
豆腐攻めにあった夢をみた。
鈴川優希さん:
と金の組み換えがちょっと複雑。45玉がなんとも都合のいい配置ですね。
S.Kimuraさん:
5段目に並ぶと金を4段目に進めていかなくてはならないことに気づくのに,随分と時間がかかりました.
鈴木康夫さん:
朝霧趣向と言うのはすぐに分かりましたが、途中でと金で抑える手順が入って非常に複雑化していますね。
隅の老人Bさん:
漣波が寄せて、砂山がくずれてゆく。感傷の秋ですね。
あと、2歩、努力しました、残念でした。
嵐田保夫さん:
と金の津波襲来。

くるくる展示室No.103 解答:11名 全員正解(下記)

  嵐田保夫さん  S.Kimuraさん  小野寺さん  小峰耕希さん
  鈴川優希さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  躑躅さん
  中澤照夫さん  長谷繁蔵さん  凡骨生さん

当選者は、8月特別出題の解答発表のあと、展示室で発表します。