次へ
次へ
詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.95 ドうえもんさん
くるくるおもちゃ箱
くるくるおもちゃ箱
出題時のコメント:

長くても大丈夫。80手台


飛車の上に香4枚と歩が乗っている形。 この形はまず間違いなく香の連捨て趣向です。 香4枚と歩が消えれば飛車の活用で収束できるパターンです。
飛車は59飛と横に使うこともできますが、64玉に55金、53玉、44金、64玉とかわされると、63金から歩香を連捨てしても肝心の飛車がいなくなっては詰みません。

59飛がだめなら、初手は45金の一手。
これに対し64玉ならすぐに63金から連捨てに入れるので、抵抗して53玉
53玉のときは63金捨ては42玉で逃れ。 そこで44金とこちらの金でもう一度王手。
42玉に続けて33金と入れば、53玉と戻るしかありません (31玉なら22歩成まで、51玉なら62金、同玉、73歩成、53玉、43金、64玉となって、香を簡単に連捨てできるので早い)。
ここで63金捨ては、今度は54玉で逃れ。 そこで続けて右の金を活用します。
43金、54玉、44金、55玉、45金、64玉、
局面を良くみると、結果的に初手45金に64玉と逃げた状態になっています。 ずいぶん手数を稼ぎましたね。

これでようやく63金から連捨てに入れますが、1枚捨てるごとに53に逃げられてこの金追い手順が入るので、80手台という長手数になるわけです。 手順を整理してみましょう。

  45金、53玉、
  44金、42玉、33金、53玉、43金、54玉、44金、55玉、45金、64玉、』
  63金、同玉、73歩成、53玉、
  『44金、42玉、33金、53玉、43金、54玉、44金、55玉、45金、64玉、』
  63と、同玉、73香成、53玉、
  『44金、42玉、33金、53玉、43金、54玉、44金、55玉、45金、64玉、』
  63成香、同玉、73香成、53玉、
  『44金、42玉、33金、53玉、43金、54玉、44金、55玉、45金、64玉、』
  63成香、同玉、73香成、53玉、
  『44金、42玉、33金、53玉、43金、54玉、44金、55玉、45金、64玉、』
  63成香、同玉、73香成、53玉、
  『44金、42玉、33金、53玉、43金、54玉、44金、55玉、45金、64玉、』
  63成香、同玉、73飛成 まで85手

この、金で押してターンしてまた金引きで戻ってくる手順は、黒川一郎さんが「車井戸」で使ったのにちなんで、車井戸と呼ばれています(「車井戸」は黒川一郎研究78将棋雑記)で紹介されています)。

本作はミニ車井戸×香連捨ての構成。 最後まで破綻なく、きれいなくるくるに仕上がりました。
作者:
よくある香の連捨て趣向に、車井戸風のと金移動を絡めて長手数になりました。
香の連捨ては他にもいろいろな趣向と組み合わせられるので楽しくなりますね。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
広瀬稔さん:
じっくりのんびり飛車の前のジャマ駒を消していく。
中澤照夫さん:
玉の逃げ方が考えどころ。金追いによる手数が加算されるため1サイクルに14手を要し、長手数化に成功している。
小野寺さん:
右側の金の動きがとてもコミカルですね。
小峰耕希さん:
こういうのを車井戸って言うんでしたっけ?
凡骨生さん:
金の軌跡が美しく魅惑的なリフレイン。
稲葉上さん:
No.76の経験が生きました。右側での金追いを絡めたうまい仕組み。
34玉の配置に納得。
しろねこさん:
金と玉の追いかけっこ。
手順に一枚ずつ4枚の香が成る。
トドメは飛成まで。
長谷繁蔵さん:
金の動きにビックリ。51玉の変化もある。
鈴木康夫さん:
逆L字型の金の動きが面白いですね。
大森常一さん:
3三まで行った金が戻って来るのが面白い。
利波偉さん:
よくある香成捨て趣向に金追い趣向を絡めたのは面白いアイデアでした。楽しめました。
嵐田保夫さん:
なかなか80手台の詰みにならず(苦笑)、玉の最善の応手の発見に一苦労。
魚熊さん:
51に逃げる手が早詰みなのを確認するのが暗算ではできませんでした。
くるくる的には51は塞いでおいた方がよかったかも。
S.Kimuraさん:
玉が複雑な動きがするので驚きました。
隅の老人Bさん:
金が追っかけてくる、羨ましい。
定額給付金は未だ来ない、どうなっているのかな?
馬屋原剛さん:
よーく金の動きを観察するとミニ車井戸なっていた!他の趣向にも応用できそう。

くるくる展示室No.95 解答:18名 全員正解(下記)

  嵐田保夫さん  稲葉上さん  上田阿吽さん  魚熊さん  馬屋原剛さん
  S.Kimuraさん  大森常一さん  小野寺さん  小峰耕希さん  しろねこさん
  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  躑躅さん  利波偉さん  中澤照夫さん
  長谷繁蔵さん  広瀬稔さん  凡骨生さん

当選者は、展示室で発表しています。