次へ
次へ
詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.84 菅野哲郎さん
くるくるおもちゃ箱
くるくるおもちゃ箱

出題図は受方33歩配置でしたが、「33歩は不要」と連絡があり、削除した図で解説します。

出題時のコメント:

本作も後手は持駒なし 60手台


連取り趣向のように見えると金の配置。 でも、横の連取りといったら普通は飛車ですよね。 配置されているのは飛車ではなく龍。 これで連取りできるのでしょうか。

まずは35龍、16玉と行くしかなさそう。 17歩、同玉に55龍。 なるほど、こうやってと金を取るのですね。
角の空き王手に、18玉は19歩から59龍。 26桂跳も35歩の中合も取って簡単なので、16玉と戻ります。
17歩は打歩詰。 さあ、どうしましょう。

46龍、25玉(36歩合は17歩以下)、35龍と龍が近づいて角筋を止めるのが巧い手。
これで打歩詰を解消できました。 続けて65とを取りに行きます。

  35龍、16玉、
  17歩、同玉、55龍、16玉、
  46龍、25玉、35龍、16玉、
  17歩、同玉、65龍、16玉、

もうおわかりですね。 そう、龍ノコで近づいては空き王手でと金を取る「龍ノコ連取り」と呼ばれる趣向なのです。

  56龍、25玉、45龍、16玉、46龍、25玉、35龍、16玉、
  17歩、同玉、75龍、16玉、
  66龍、25玉、65龍、16玉、56龍、25玉、45龍、16玉、46龍、25玉、35龍、16玉、
  17歩、同玉、85龍、16玉、
  76龍、25玉、65龍、16玉、56龍、25玉、45龍、16玉、46龍、25玉、35龍、16玉、
  17歩、同玉、95龍、18玉、

95香を取ると、16玉では17香の一発なので、18玉と逃げて収束します。

  19香、同玉、99龍、18玉、29龍まで63手

これまでの龍ノコ連取りは、龍ノコで取りに行くパターンですが、本作は取りに行くのは空き王手で、戻るために龍ノコを利用しています。 このパターンは記憶になく、おそらく初めてではないでしょうか。 普通は発生しがちな、龍ノコの軌跡の非限定がないことも好印象です。

斬新な趣向を、誰にでも鑑賞できるようにくるくる作品に仕上げる、菅野さんの作品にはこれからも目を離せません。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
中澤照夫さん:
連取りと龍鋸。趣向長編の基本手順。
凡骨生さん:
龍の動きが面白い。
長谷繁蔵さん:
最後香打の59手として18へもぐれるのを見逃していました。
一番見たい作者
大森常一さん:
これも竜ノコの一種ですか。1九歩から竜を一段目に引く手順を見せながらの竜の動きが素晴らしい。竜が3七にいないと、1八玉で詰まないとばかり思い込んでしまいました。
井上賢一さん:
暗算で解けるところが良い
小野寺さん:
分かりやすいハガシ。練習問題ですね。
稲葉上さん:
仕組みの発見に半日費やす。ご褒美は楽しい龍のダンス。
嵐田保夫さん:
打歩詰めという課題を龍鋸で9五香を取りつつ克服していくというコンセプトを解りやすく具現化した氏一流の見事な手順。
利波さん:
この連取りと龍鋸の組み合わせは初でしょうか?アイデアが光ります。
しろねこさん:
44角と空き王手の竜、歩を使い収束。
S.Kimuraさん:
龍鋸の戻る軌跡が限定されているのが良いですね.
タクさん:
リズミカルで楽しい駒の連取と龍の千鳥追い。
隅の老人Bさん:
竜鋸+連取り=巧いな。
詰め上げての手数勘定、ボケ老人には、意外と面倒。

くるくる展示室No.84 解答:14名 全員正解(下記)

  嵐田保夫さん  稲葉上さん  井上賢一さん  S.Kimuraさん  大森常一さん
  小野寺さん  しろねこさん  隅の老人Bさん  タクさん  利波さん
  冨田昌さん  中澤照夫さん  長谷繁蔵さん  凡骨生さん    

当選者は、展示室で発表しています。