次へ
次へ
詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.79 菅野哲郎さん
くるくるおもちゃ箱
くるくるおもちゃ箱
出題時のコメント:

本作も後手は持駒なし 40手台


きれいな形。玉を5筋に置けないのが残念ですね。

初手は24龍の一手。 後手は持駒なしなので逃げるしかありません。
17玉なら19龍まで。 16玉か37玉は迷うところですが、実は詰方は早く16桂を取らせたい(形を決めたい)ので、抵抗して37玉と逃げる方が長手数になります。
37玉には39龍で、二枚龍追いが始まりました。

  24龍、37玉、39龍、46玉、
  44龍、57玉、59龍、66玉、
  64龍、77玉、79龍、86玉、
  84龍、96玉、99龍、97桂合、

今度は84龍に77玉とは戻れないので、96玉と桂を取ります。
99龍で桂合をさせて、巧みに折り返します。

  94龍、86玉、98桂、77玉、79龍、66玉、
  64龍、57玉、59龍、46玉、
  44龍、37玉、39龍、26玉、
  24龍、16玉、19龍、17桂合、

今度も16玉と桂を取るしかなく、19龍で桂合をさせて折り返し。

  14龍、26玉、18桂、37玉、39龍、46玉、
  44龍、57玉、59龍、66玉、
  64龍、77玉、79龍 まで47手

最初の折り返しのときに98桂で86が塞がれているので、79龍まで詰みとなります。
2枚龍での1往復半の追い趣向。 折り返しがきれいですね。
手順を見れば、最初24龍に16玉だと、1往復だけで短く詰むことがわかると思います。

上下からの飛龍追い(1往復)は三代大橋宗与によって作られています (くるくるおもちゃ箱 第3章 王様の一人旅 (3)参照)が、本作はその現代版というところ。 受方持駒指定によって、すっきりした形で実現でき、繰り返しも宗与の1往復に対し本作は折り返しの工夫で1往復半に増えています。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
嵐田保夫さん:
ただただ追跡あるのみ。
香箱さん:
2手目16玉としないのがせめてもの抵抗。
長谷繁蔵さん:
桂は面白い駒ですネ。
中澤照夫さん:
折り返しがうまく創られている。
大森常一さん:
危うく30手台で詰ましてしまうところでした。
凡骨生さん:
龍挟みは強力なり。
稲葉上さん:
単純にして美的。辺境の地に桂を落としておくのが工夫でしょうか。
渡辺さん:
二枚の龍で上下にはさんで追うほぼ一本道。受け方はすぐ取れる桂馬をとらずに遠い方の桂馬を先に目指す。
鈴木康夫さん:
折り返しの仕組みが見事です。
隅の老人Bさん:
巧みな折り返し。これなら、長手順でも楽しめる。
S.Kimuraさん:
2手目に玉がどこに動くのかが悩みましたが,19成桂を取られないように動くのが良いのですね.
吉川慎耶さん:
持駒なしルールはくるくると相性が良く、目新しく感じた。

くるくる展示室No.79 解答:13名 全員正解(下記)

  嵐田保夫さん  稲葉上さん  S.Kimuraさん  大森常一さん  吉川慎耶さん
  香箱さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  躑躅さん  中澤照夫さん
  長谷繁蔵さん  凡骨生さん  渡辺さん    

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。