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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.77 菅野哲郎さん
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出題時のコメント:

長くても大丈夫 230手台


上辺のと金群は金鎖手順(往復の送り手順)を予感させます。 でも持駒には銀4枚。 どうなるんでしょうか。
とりあえず玉の上部が広いので銀を打っていくしかなさそう。

  94銀、84玉、85銀打、75玉、76銀打、66玉、67銀打、77玉、

今度は銀鎖の配置に。 78銀から追い戻せそうですね。

  78銀、66玉、67銀引、75玉、76銀引、84玉、85銀引、83玉、

元の83に戻りましたが、上部を銀で塞いだので、今度はと金で右に送れます。

  82と、73玉、72と右、63玉、62と右、53玉、52と右、43玉、42と右、33玉、32と右、23玉、

続けて22と引、13玉、14香まで?? 自分の玉を取られますよ。

  14角、13玉、69角、23玉、

14角で歩を入手。 次に角がまた69に戻るのが重要な手。 なぜ69かは、手順を追うとわかってきます。

  22と寄、33玉、32と左、43玉、42と左、53玉、52と左、63玉、62と左、73玉、72と左、83玉、

これで1周。 また83に戻りました。 ここでまた銀送りにチェンジ。

  94銀、84玉、85銀行、75玉、76銀行、66玉、67銀行、77玉、

ここまで来ると69に引いた意味が見えてきます。 98の成桂を取ろうというのが、その狙い。

  88と、同成桂、78歩、同成桂、同銀引、66玉、

桂を入手して、次は残りの桂3枚をはがしにいきます。 その準備として角の位置を変換。

  67銀引、75玉、・・・ 32と右、23玉、14角、13玉、47角、23玉、

58桂と打って成桂をはがしたいのですが、そのとき56歩を取らせないのが47角の意味。

  22と寄、33玉、 ・・・ 76銀行、66玉、58桂、同桂成、
  67銀引、75玉、・・・ 32と右、23玉、14角、13玉、58角、23玉、14角、13玉、47角、23玉、

これで46桂をはがしました。次にそなえて角を47に移動させておきます。
続いて 同じ手順で2枚の成桂もはがします。
(この3枚をはがす順番は非限定でどれからでもかまいません)

  22と寄、33玉、 ・・・ 76銀行、66玉、58桂、同成桂、
  67銀引、75玉、・・・ 32と右、23玉、14角、13玉、58角、23玉、14角、13玉、47角、23玉、
  22と寄、33玉、 ・・・ 76銀行、66玉、58桂、同成桂、
  67銀引、75玉、・・・ 32と右、23玉、14角、13玉、58角、23玉、14角、13玉、47角、23玉、

さらにもう一度戻って58桂と打つと、もう取れる駒がないので、これで詰みになります。

  22と寄、33玉、 ・・・ 76銀行、66玉、58桂 まで237手

銀鎖と金鎖を組み合わせた壮大な玉移動を伴うはがし趣向。
解説が長くなりましたが、手順を並べればとてもシンプルな機構でこの長手数の趣向が実現できていることがわかると思います。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

凡骨生さん:
角による桂剥がしだが、と金横送りと銀による縦移動で面白いサイクルを作っている。
しろねこさん:
歩と銀の連動。何度も繰り返す。最後に桂打ちまで。
香箱さん:
58で成桂をはがしては47に据え直す角の動きが印象的。
たくぼんさん:
こんな簡単な機構で237手とは驚くしこんなに簡単に解けてしまうというのも驚き。
この作を見ていると簡単な機構で500手超、1000手越も出来てしまうんじゃないかと思わされる。
中澤照夫さん:
58の地点での剥がし趣向。
銀の鎖が趣向の成立に一役買っている。
長谷繁蔵さん:
銀に使う47角に感心。金を何処かに置いて手数延ばしを考えたが場所がない。
銀なら・・・売り切れ。そりゃないわな。
渡辺さん:
56歩を守る47角の限定がうまい。玉方58桂を取る順序が任意なのはおしい。
稲葉上さん:
入手した歩を桂に交換する序奏がいい。
角のスイッチバックで58に利いてる桂を消去するのがうまいアイデア。
持ち駒を攻め方銀一色、玉方金一色で揃えたのも美しい。
鈴木康夫さん:
角をたまたま4七に引いていたのですがよく読むと限定移動になってますね。
嵐田保夫さん:
4七角の筋さえ見つければ解図そのものは簡単だが、何度やっても345手詰になってしまう。途中うまい節約手段があったんですね。ところで、いつも思うに、このような大作を次々と創る作者の方々の労力は大変なものがあるはず。あらためて敬意を表します。
隅の老人Bさん:
3つの趣向を合体、巧み、そして楽しい。
でも、最初は目的不明で追っかけた。
くるくる?、それは解けてからのことです。
解答は最終手でOK、ありがとう。
大森常一さん:
いやー疲れました。と金の往復を何回やっただろうか。ポイントは質駒を取ったあと角の位置を4七に置くことなんですね。非限定かとおもったら、他の位置では角が1四に行けなくなったり、5六に玉の逃げ道ができたり。
ただ5八桂の王手のときどの駒から取っていくのかな。
S.Kimuraさん:
桂を取るのに角が2往復するのが面白いですね.
吉川慎耶さん:
解答者に優しい作品。
名越健将さん:
よくぞまあ、こんな長編を連続発表できます。菅野氏は詰棋界のピカソかゴッホか?

くるくる展示室No.77 解答:17名 正解16名(下記)

  嵐田保夫さん  稲葉上さん  S.Kimuraさん  大森常一さん  吉川慎耶さん
  香箱さん  しろねこさん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  たくぼんさん
  躑躅さん  中澤照夫さん  名越健将さん  長谷繁蔵さん  凡骨生さん
  渡辺さん    

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。