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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.64 老花現象さん
くるくるおもちゃ箱
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出題時のコメント:

きれい、楽しい、ちょっと高級。 35手。


出題のことば通り、くるくるとしてはちょっと高級な本格的な趣向詰。
趣向自体が、くるくるおもちゃ箱では紹介したことがない珍しいパターンであること、変化もいろいろあることから、暗算で解くのは実力者でも容易ではなかったと思います。

本作、解けなかった方も、是非並べてご鑑賞ください。

初手は26桂では24玉で香が良く利いていてダメ。 となれば17飛と飛車を活用する手順とわかります。
17飛、27飛、37飛と飛車で左に追う手順が見えますが、単純に追うと37飛のとき24玉と戻られて困ります。
そこで、27飛、34玉のときに一工夫。
26桂、24玉、14桂、34玉と、14に桂を発生させて13香の利きを止めるのです。
それから37飛とすれば、24玉には16桂があるため、44玉と逃げるしかなく、更に47飛と追撃できます。

趣向パターンとしては、「G−玉−G−玉−L打−玉−L/G−玉」という8手サイクルの珍しいパターンで、本作が初めての作品かもしれません(前例をご存知の方はご教示ください)。

  17飛、24玉、27飛、34玉、26桂、24玉、14桂、34玉、
  37飛、44玉、47飛、54玉、46桂、44玉、34桂、54玉、
  57飛、64玉、67飛、74玉、86桂、同金、66桂、64玉、54桂、同玉、

桂打ちをさせないよう、17飛に16歩と中合したら? とか、26桂に44玉と左に逃げたらどうなるの? とか、いろいろ変化があって、気が抜けません。 分岐棋譜で変化手順を示したので上図でご確認ください。

趣向手順に入って、ようやく楽しいくるくるですが、最後の3回目は要注意。
74玉にこれまでと同様に66桂と打つと、83玉で逃れ。
この逃げを防ぐために、86桂、同金と86に金の質駒を作るのが事前準備。
こうしておけば、66桂に83玉なら86龍以下の詰みです。

66桂、64玉、54桂に作意手順は同玉ですが、74玉と戻ったら?
63飛成!という驚きの飛車切りがあります。 同玉は65龍以下(54桂を発生させた効果)なので、83玉と逃げるしかありませんが、86龍と金を取って詰みます。

  65龍、44玉、47飛、34玉、
  45龍、24玉、27飛、14玉、
  25龍 まで35手

なんと、ここから龍飛による二枚追いの趣向が始まります。
最後は還元玉できれいに詰みました。
作者:
飛桂コンビによる送り趣向。
桂跳ねの開き王手の際に、香の利きを遮るのがポイント。
巧妙な機構(TETSUさん考案)により、折り返しを実現し、還元玉も実現した。
折り返しで桂を消費する手順は橋本孝治さんのご教示によるものです。
前半の趣向がメインですが、復路の軽趣向で還元玉になったことで、メインの趣向が引き立ちました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
コマンさん:
桂打ち桂跳ねのリフレインが面白く玉が一往復するのが良い。
香箱さん:
苦しみました。この変化と紛れ、くるくるではないでしょ。
この意見多し。 すみません。 ただ、趣向と関係ない序や収束で難解になっている作品は論外ですが、趣向自体が高級になってくると、ある程度長手数になったり難しくなったりするのは避けられないところでもあります。 そこで、今後はこういった「ちょっと高級な」作品を出題するときは「力試し」とか明記して出題しようと思います。
長谷繁蔵さん:
変化も有り(特に63飛成同玉65竜の変化)中合の綾も有り
9筋の2枚金も上手い配置 かなり高級
しろねこさん:
飛車、龍、桂の追い詰め。桂馬が取れないのは痛い。飛車と龍が効いているので。
稲葉上さん:
3手目から27飛、34玉、25龍のパターンで左に追う紛れに嵌りました。龍は左に置かないと詰まないんですね。21手目、86桂打が変化順に備えた好手。香頭に桂を跳ねて後の香打を取らせない・・・うまい仕掛けがあったもの。還元玉でもあるんですね。
広瀬稔さん:
面白い手順。盤面から桂が一掃されての還元玉での詰め上がりがしゃれている。
隅の老人Bさん:
くるくる?嘘でしょう、難しいよ。
打った桂が綺麗に消える、老花さんの会心作かな。
中澤照夫さん:
桂を香頭に跳ねて香の利きを遮る高等手段。折り返しの変化もよく出来ている。
S.Kimuraさん:
2手目に1六歩と中合いされるとどうなるのか,分かりませんでした.
左に追って歩があるので早い。 分岐棋譜でご確認ください。

くるくる展示室No.64 解答:9名 全員正解(下記)

  稲葉上さん  S.Kimuraさん  香箱さん  コマンさん  しろねこさん
  隅の老人Bさん  中澤照夫さん  長谷繁蔵さん  広瀬稔さん
  

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。