左右純対称の涼しげな形。 初手飛車打から角を軸に回転する手順もすぐに見えるので、思わず手を出してしまいます。
まず、46飛から左で1回転、86のと金を入手。 左右対称なので、もちろん66飛でもOKです。
更に、左でもう1回転、77歩を打って76を封鎖。
今度は右に追って右で1回転、26のと金を入手。
更に、右でもう1回転、37歩を打って36を封鎖。
再び左に追って1回転。 76が封鎖されているので、9筋に逃げるしかなく、詰上り。
作意は95玉ですが、96玉でも正解です(96玉だと87銀以外に86飛でも詰み)。
シンプルな機構で左で2回転、右で2回転、くるくる展示室の名前にぴったりの作品でした。
- 老花現象さん(作者):
- 8月くる展17(老花現象作)は、5月くる展11(老花現象作)と同様にTETSUさんが原作を改良してくださったものです。原作31手詰が改良後51手詰となりました。
原作の初形は、詰方8枚、玉方7枚、持駒なしでした。角は1枚のみで、駒が1筋〜3筋にかたまっていました。改良によって、詰方9枚、玉方3枚、持駒1枚となり、1筋〜9筋に対称形に配置されました。特に角2枚配置され、この2枚角のまわりを飛と玉がくるくる回る見事な趣向詰となりました。「着眼大局」による卓抜な改良でした(自作というよりも「合作」とすべきなのでしょうが、それも失礼と思い、申出ませんでした)。
角の回りの回転は龍追いでは良くある手順(くるくるNo.48、No.53、くる展No.5など)
なので、何をアピールするかが創作上の課題になります。
左右両方で繰り返すのは、覚えておきたい技法。
初形を対称にできれば、印象が良くなります。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 小峰耕希さん:
- 初形を見た時には、先々月のように暑苦しくならないか心配でしたが、回転1回目でと金を取って、2回目で持歩を打って玉の逃げ道を塞ぐ、というストーリーが割合すぐに見えて、暑苦しくなる前に答えに辿り着きました。
- これなら多分「夏向き」のコメントに抗議される事はないと思います。
- 中澤照夫さん:
- まさにくるくる。これも玉の軌跡に面白さがある。
- コマンさん:
- ヒー、ヒー言いながら(笑)詰めました。
- 攻方5五桂とし、9三と・1三とを取り、玉方8一歩・2一歩とすれば53手となりますネ
- 谷口翔太さん:
- 歩打を見落とし、風車を回す。くるり、くるくる、夏の涼風。
左右対称の初形が、嬉しい。
- S.Kimuraさん:
- 玉が角の周りを2回ずつ回ってから戻ってくるのはジェットコースターのよう
- 涼秋さん:
- 角の回りをそれぞれ回転,これぞ本当の「くるくる」ですね。夏向きとは扇風機?
- 長谷繁蔵さん:
- 面白いのを見つける物ですネ
- 荻絵香木さん:
- 初形が涼しげで確かに夏向き。玉と飛の追いかけっこが楽しいです。収束に「と」と銀の着手があり形がくずれるのがちょっと残念でした。
- どかん5号さん:
- 初形は空いっぱいに広がる花火のイメージ、手順はくるくる渦潮みたい。
涼しげで夏にぴったりですね。初手は、私は右から46飛。
右利きの人が多いのか、1:2で46飛からはいった方が多かった。
- たくぼんさん:
- まさに”くるくる”ですね。
- 市原誠さん:
- まさに、くるくるですね(笑)
- 井上順一さん:
- 見事な飛車の回転。まさに「くるくる」。
まさにくるくる、本当にくるくるの評多し。作者の狙い通り?
- 岡村孝雄さん:
- 応手に迷うところのない、夏向きの易しい回転追い。
……しかし、遠き日の夏休みの宿題のごとく、締切間際に慌てて解答を書くハメに(苦笑)。
私もぎりぎりにならないと取り掛かれない方。この結果稿もいつも前の日に書いています(^^;
- tsuruokaさん:
- 「目の前には風車。時々逆にまわる2つの大きな風車が見えます。周囲は草原、涼しくさわやかな風が吹き抜る草原です。ここはいったいどこなのだろう?先ほどまでのあの暑さの中にいたのに……」
世間では誰もが“涼”を求めていますが、詰将棋一題で簡単に“涼”を味わえる私はとても幸せですね。左右対称の美しい初形、解けたときの爽快感、この問題を解く機会を与えてくださった作者に感謝いたします。
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